表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/240

29区  高校生の本分は勉強・・・らしい

挿絵(By みてみん)


そんなとある日曜から数日後。

高校生になって初めての定期テストが行われた。


高校生にとって絶対に避けては通れない定期テスト。

桂水高校は2学期制を取り入れているので、テストは年に4回。6月、9月、12月、2月に実施される。


テスト中は基本的に部活動は中止。

これが予想以上にストレスになった。


中学生の時はそんなふうに感じたことはなかったが、なぜか今回は走りたくてうずうずしてしまい、勉強をほったらかして家からジョグに出かける始末。


「その力を勉強に持って行ってたら、こんなことになって無かったんじゃないかな」

晴美にそのことを話したら、苦笑いしながらあっさりと言われてしまった。


ただ、私も良心がわずかに残っており、夕方親が帰宅する前には帰って来るようにしていた。


洗濯物で走っていることはすぐにばれたが、気分転換のために30分だけと、咄嗟に嘘をつき誤魔化してた。


間違っても、毎日90分近く走っていたなんて口が裂けても言えない。


と言うより、言ったら部活を辞めさせられる。


それくらい今回のテストは散々な結果だった。


245人中198位。

完全に後ろから数えた方が早かった。


「まぁ、赤点がひとつも無かっただけ、良しとするしかないかな」

自分でそう思う分にはまだ良いが、晴美に言われてしまうと泣きたくなって来る。


ちなみに他の駅伝部員の成績だが、晴美は22位、紗耶が54位、麻子が108位とどれも私よりははるかに上。久美子先輩は243人中65位。駅伝部唯一、理数科クラスに在籍する葵先輩にいたっては、35人中3位と言う成績だ。


つまり私だけがダントツで成績が悪かった。


「ねぇ、聖香。普段練習する時って、何を思って走ってるかな?」

晴美の質問に戸惑いながらも、走ることになるとついまじめに考えてしまう。


「う~ん。今よりも速くなりたいってことと、やっぱり都大路出場と言う目標を叶えたいってことかな」

それを聞いて晴美が「してやったり」と言う感じで、ニヤリとする。


「ずばり、聖香にたりないのはそれじゃないかな。聖香とは長い付き合いだけど、小さい頃はまだしも、中学生になった辺りから部活漬けの毎日で、聖香の口から将来の夢とか目標を聞いたこと無い気がする。部活でキツイ練習に耐えられるのも目標があるからだと思うの。それと同じように、将来こう言う職業につきたいとか、大きな目標があったら勉強もきちんと頑張れるんじゃないかな」


晴美の言うことはもっともな気がした。

言われてみれば中学で陸上部に入って、毎日走ることばかりであまり将来のこととかを考えたことがない。


「まぁ、その前に次回は駅伝部最下位脱出という目標もあるかな」

晴美は笑いながら言うが、私にとってはあまり笑えない。


今回の成績で親は何も言わなかったが、さすがにこんな成績が2回も続いてしまうと……。


ただ、将来の職業などは、考えて浮かぶものではないのも十分に分かってる。そこは焦るわけにも行かないが、だからと言ってこのままと言うのも問題だ。


それを晴美に言うと、「まぁ、今はそう言う気持ちになっただけでも、前に進んだとするべきかな」と、返されてしまう。


私はふと、晴美に将来のことを聞いてみたが、「それを発表するにはもう少し時間と経験が必要かな」とはぐらかされてしまった。


ただ、そう言う言い方をすると言ういことはしっかりと考えていると言うことなのだろう。



差出人:澤野聖香

題名:もうすぐ

本文:

夏休みだけど、えいりんは地元に帰って来る?


差出人:市島瑛理

題名:夏休み?

本文:

そんなものは我が陸上部には存在してないよ(涙)いや、本気で帰れそうにない


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ