169区 高校総体と私が忘れていた大事なことその7
お風呂から上がり、部屋に戻るとみんなが随分と騒がしくしている。
「だったら、速い順でいいんじゃないかぁ」
「いや、ダメ元でもきちんと形は作るべきですし」
「元々スピード練習なんですよね。アリス的にはジャンケンでも」
「あの……アリスちゃん。それで私が入ったらやり直しでもいい?」
いったい何の話をしているのだろうか。
いや、大体見当はつくのだが。
「よし、聖香に決めてもらいましょう」
突然麻子が私に話をふって来る。
その一言にみんなが一斉に私を見る。
「はぁ……。じゃぁ、1走が麻子、2走が紗耶、3走がアリス、4走が紘子。これで良い?」
適当にあしらう様に言って、私はお風呂道具を終い始めた。
と、後ろにいるはずの全員が黙りこんでいるのに気付く。
あまりの静けさが不気味だったので、後ろを振り返る。
「ちょと、なんでリレーのオーダーを決めてるって分かったの?」
「すごいよぉ。せいちゃん! まったく隙のないオーダーだよぉ」
「すごいです……。澤野さん、永野先生みたいです」
私が後ろを見ると、みなが口々に言葉を発する。
みんながバラバラに喋るので、まさに不協和音だ。
それを虫を追い払うかのように手を振って黙らせる。
「いくら私でも分かるわよ。で、これで本当に良いの?」
私の問いかけに、全員が二つ返事で頷く。こ
うしてリレーのメンバーも無事に決まり、大会初日は終了した。
差出人:澤野聖香
題名:えいりんが
本文:荒れるかもって言ってた理由が分かった。藍子、大荒れだったね(笑)
差出人:市島瑛理
題名:やっと
本文:意味が分かったか(笑)藍子マジ切れしたよ
差出人:澤野聖香
題名:正直……
本文:藍子との勝負のこと、完全に忘れてたんだよね。今度、きちんと謝った方が良いかな?
差出人:市島瑛理
題名:いや
本文:藍子はさわのんとの勝負に対して受け身すぎる。もっと積極的に行動しなきゃ!今回の件は良い薬だよ
?
差出人:澤野聖香
題名:うわ〜
本文:えいりんが言うとなんか説得力がある
差出人:市島瑛理
題名:でしょ〜(笑)
本文:まぁ、さわのんは放置プレイの天才だからね。間違いなく、さわのんドSだね
差出人:澤野聖香
題名:……
本文:何を言ってるのかな? えいりんは(苦笑)




