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15区  桂水高校女子駅伝部初陣!!  その2

挿絵(By みてみん)


そんなやり取りをしていると、受付を終わらせた永野先生が帰ってきた。

永野先生と合流し、私達はスタンドへと向かう。


「こら、お前ら真っ直ぐ前見て歩け」

先生が持って来たプログラムを見ながら歩いていた私達は怒られてしまう。


なぜだろう。

プログラムとかを貰うと、我先にと誰がどんな種目に出るのかを確認したくなる。


それでも、怒られた以上、見たいのをぐっと我慢してまずはスタンドへ行き、荷物を置く。ゴール上方は屋根もあり日差しも弱かったので、そこに陣取ることにする。


荷物を置くと、やっぱりみんな我先にとプログラムを見ようとする。

そんな私達を見て永野先生はややあきれ気味だった。


「え? なにこの800m予選。6組3着プラス6は良いとして、なんで1組に15人いるの。スタートどうするのよ。セパレートじゃなくてオープンってこと?」


私は久美子先輩を探そうと、800mのページを見て思わず声を上げてしまう。


「ストップ聖香。初心者の私にも分かるように説明して!」

どうも麻子は言葉の意味が分からなかったらしい。


まぁ、高校から始めたばかりで、競技場も今日初めて見たくらいだしな。


そう思いながら私は説明を始める。


「まず6組3着プラス6って言うのは、予選が6組あって、そのうち各組の上位3名は自動的に準決勝に進めるの。タイムの遅い速いは一切関係なし。とにかく順位のみ。それでプラスは各組の4位以下でタイムが速かった上位者、今回は6名がさらに準決勝に進めるわけ。ちなみにプログラムに書くとこんな感じね」


私はプログラムに書いてある『6―3+6』と書かれた部分を指さす。


「ごめん、半分くらいしか理解できない。各組の3着までが自動的に準決勝にいけるのは分かったけど、プラス6がいまいち。6組の場合は、各組ちょうど1人ずつってこと?」


麻子は首を傾げつつ私に更なる解説を求める。

そこに紗耶が割り込んで来て説明を始める。


「プラスに組は関係ないよぉ。各組の4位以下全員のうちでタイムの速かった上位6名ってこと。つまりねぇ、1組、2組が牽制しあって全体的に遅くて、3組目がメチャクチャ速かったら、1、2組目からは1人もプラスは出なくて、その代わり3組目から3人くらい出る可能性もあるってことだよぉ」


「なるほど分かった。さすが紗耶。説明が聖香より分かりやすい」

いや、私の説明と紗耶の説明に差は無いはずだ。

ただ単に麻子が分からないと言った部分を紗耶が再度教えただけのような気がするのだが。


「ちなみにうちが出る3000mはタイム決勝と言って、今回は3組あって1位から8位は、その3組全部の中から決まるの。だから、組で一番になっても、もっと速い人が他の組にいて、総合では3位だったりする可能性もあるわけ。まぁ、普通は組が遅い程、タイムが速い人がいるから、上位は最終組の順位がそのまま総合順位になったりするんだけど。しかもなぜかうちも最終組なのよね」


自分走る3000mについて説明しながらも、微妙に愚痴が混じっている葵先輩。


「あと、セパレートとオープンについて。短距離みたいに決められたコースを走るのがセパレート。長距離みたいにスタートと同時にみんな同じ所を走るのがオープン。800mは本来、スタートから100mがセパレート。その後はオープン」


「ああ、お前ら。ついでに言うと、高校総体の800mって昔からこんな感じだぞ。予選は15人でオープンスタート。準決勝からは約100m過ぎたらオープンになる、ごく一般的な800mだ」


久美子先輩と永野先生も「じゃぁ私も」と言った感じで知識を披露して行く。


晴美はマネージャだから別として、麻子以外はみな陸上経験者なのでどうとも思わなかったが、初心者の麻子にとっては情報量が多すぎたようだ。


みんなの説明に軽くパニックになっていた。


それとみんなはスルーしていたが、永野先生の一言がすごく気になった。


今の喋り方だと昔から知っている感じだ。

もしかして、永野先生自身、高校総体に出たことがあるのだろうか。

それを聞こうと思ったが、誰も突っ込まないので辞めておくことにした。


知識を披露したのち、久美子先輩はアップへと出かけようとする。

桂水高校に関係のある種目で言うと、まず一番に800mの予選がある。


「藤木と湯川は北原の付添いな。特に湯川は初めてだからな。藤木、すまんが湯川に色々教えてやってくれ。後、澤野は大和の付添い。それと、佐々木、お前は800mと3000mのラップを取ってくれ。総合結果はネットにアップされるから別に書かなくてよいぞ」


永野先生が1年生全員に指示を出し、みんながそれぞれ返事をする。


久美子先輩達をを送り出した後、雑談をしているとあっと言う間に800m予選の時間となる。


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