栞奈の正体、ユリの行方
まさかのアレです笑
「なあ…栞奈。お前、何者だ?」
「…」
「普通此処は何処だ。とか聞かれても分からない。としか言えないはずだよな…お前、フォムラと何の関係があるんだ?」
そう…ずっと前から思っていたんだ。地球にいた頃から。栞奈には何か裏がある、隠している事があると。まさかとは思ったが…やっぱりフォムラと何かあったんだな。
「…俺は……フォムラの人間だ…………!フォムラから地球に来たのだが、案の定戻って来ちまったみたいだ………しかもこの姿だぜ?泣きっ面に雀蜂だよな…」
「そうか…ありがとう。話してくれて…」
幼い栞奈の顔からは不安や後悔という感情があふれでているのが怖い程よく分かった。
「―――――お前は逃げないのか?……俺は怖いよ。お前が真実を知って逃げ出してしまうのが…」
成る程…だから地球では全く喋らなかったのか…
「俺は逃げないよ…別にお前がどうであろうと俺には関係ないさ」
「ちょっ…あの…アニぃさん…私ついてけないんだけと…」
全く状況が把握できてない綾に√100円を渡し、何かを買わせに歩かせた。
不安が解消されすっきりした栞奈は、明るい顔をして座ってる俺を引っ張り起こして、綾の元へとかけていった…
その光景は新しい世界なのに自棄に懐かしく目に焼き付いたのだった…
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私はあの2人が躊躇なく「入り口」に飛び込んでしまったから私も追いかけるように飛び込んだわ。
あの「入り口」は詳しくは分かってないけどフォムラと地球を繋げる道。しかも自分は何らかの影響で誰かに精神転移するようなんだよね…
「ったく…今度は何に転…せ…い……」
ボロ屋の瓦礫の間にあったのはくすんだ鏡…
土煙が舞う中、私は見てしまった…
「……猫…?」
確かに何にでも転移するのが常識だけど…このケースは初めてだったわ。
ピンとたった耳、つぶらな瞳、しなやかな尻尾…
そして質のよい白い毛。
「か…可愛い…///」
自分で自分の姿に見惚れた。でもきっとこの白猫の精神は地球で驚ききってるんだよね〜…
さてと…先ずは現場理解。
自分が何処にいるのか、どのような地位にいるのか、…………仲間はいるのか…
鏡とは反対の方向に立派な扉があるけど猫なんかに開けられるはずが無い。
どうしたものか…無駄に広いボロ部屋に居ても何も変わらないから外に出たい…
ガタン…
不意に天井の抜け穴が開いた。
「…誰?」
「私でございます。お嬢様、どうぞお外へ…」
天井の裏から声が聞こえるけれども姿は見えない。
どうやら声でお爺さんな感じは伝わってきたわ…
ちょうど瓦礫が積み重なって階段みたいになっている。
私は穴に向かって覚束無い足取りで進むのだった…。
まさかのアレでしたね。
因みに百合は人になる予定ですよ〜///