少年
宿題やってたら遅れました
ハラハラの終わりかたです
俺が大声で泣き叫びたいにも関わらず少年は騒ぎやがる。
「おい、少年。母ちゃんはど…こ……」
「…」
ゴーグルの少年黙りこくる。こいつ…もしかして…
「お前…名前は」
俺はこの時今までに無いくらいのジト目をしていたらしい。 綾による。
「…」
「喋れ」
「…」
「喋れ」
「…」
「お前…栞奈だろ?」
「(コク…)」
少年は静かに頭を縦に降った。喋らない性格は全くもって治ってないようだ。
「アニぃ。この男の子と…」
「(ふるふる)」
「どうした栞奈?何が違うんだ?」
栞奈は体に対し、大きめのマントを脱いだ…
…そこには何と!
すらりとした足が目立つスカート…
発達途中の中途半端な乳…
括れた腰…
「お前…」
「(こく)」
ゴーグルを額に装着した少年に見える少女は栞奈だった。
性転換とはまあ豪勢なもんで…
まあ良かった。知り合い1人いるだけでも心強い。まあ…身なりはか弱いが心の支えには十分過ぎるものだ。
瞼から流れそうな涙を脱ぐって栞奈を隣に座らせた。
「ちょっ、ちょっと…アニぃこの子誰よ!?」
置いてかれてる綾には悪いが話すと信じてくれないものだから無視をして
「栞奈…此処は何処なんだ?」
「…」
「あ〜えっと…此処はフォムラで合ってるか?」
「(…こく)」
静かに頭を縦に降る栞奈を見て確信した…だが俺は1人じゃない。
「地球とは違う星って事か?」
「(こく…)」
「どういった経路でこっちに来たか分かるか?」
「(こく…)」
と、順調に質問していた途端!
「ちょっ…ちょっと待って…この子がアニぃの知り合いの栞奈ちゃんて事は分かったけど…アニぃ達ホントに地球から来たの…?」
「(こく)」
すると綾はみるみるのうちに目を広げ口が閉まらなくなった…
「あ…あ、あんたら正気?それが本当だったら絶対に話しちゃ駄目!解剖されて終わりだよ!?」
確かにそうだ。自分の星に異星人が現れたら先ず解剖されるのはド・モルガンの法則を使っても分かりきっている。では気を付けないと…
「た、確かにそうだな…」
暫く流れた沈黙。
いきなりの事件に動揺を隠せない綾とは裏腹に落ち着いた表情を見せる銀髪。
「なあ…!詳しい事を聞きたいから話して…くれねえかな?栞奈。フォムラとは何なのか、アニぃやお前は一体誰なのか…。お前が何で泣いて来たのか?」
「…」
暫く考えた栞奈は深呼吸してこう言った。
「フォムラとは…」
地球での栞奈も良い声で、こっちでも良い声だったから少々びっくりした。
「フォムラとは…地球とは全くの無縁の遠い遠い星…。遠すぎてフォムラでは地球の存在が伝説のようになってしまっている…。そしてフォムラは何らかの影響で誰かに支配されてしまっている」
弱々しい銀髪の少女からは慣れない喋りで続けた。
「つまり…俺達は地球から黒い物質のせいで異世界に中途半端に転生したと言うわけだ…」
「ほ、ホント…?凄い…」
綾は相変わらず驚ききっているせいかそれを出すのが精一杯のような顔をしていた。
「そして…お前。アニぃは地球でお前の体を使って過ごしているだろう…そして俺は…まだ分からない。だが黒服に追われていたから泥棒の少女とかなのだろう。だから俺は泣いたふりをして人の多い所に逃げた」
泥棒の少女…確かに何も言わなければ何かぬすみそうだしな。
この時俺はある事に確信していた。
「いいか?………………やっぱり引っ掛かったな…!」
展開早くてすいません夏休みだからテンションあがっちゃって