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ワイバーン討伐

この作品を手に取っていただき、ありがとうございます。


この作品は、「もう一度やり直せたら」という想いから生まれました。


鬱で絶望していた主人公が、異世界で仲間と出会い、少しずつ生きる意味を取り戻していく――


そんな再生の物語を描いています。


拙い文章ですが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

翌朝。

別の探索チームが発見したワイバーンの巣穴——山肌の中腹にある大きな洞窟に着いた。

辺りは不気味なほど静まり返っている。


「行くわよ」


メンソールが俺とルーダを促して先に行かせる。


「ワイバーンのスキルは全て明らかになっているし、大丈夫だからな」


ここに来るまでに、ワイバーンのスキルとそれに使用するおおよその魔素について聞いていた。

これらの情報があることで立ち回りが全然変わってくる。


「着いたみたいだ」


大きめの空間から、不気味な呼吸音のようなものが定期的に聞こえてくる。


「準備はいいわね? 戦闘開始!」


メンソールの合図と共に皆が駆け出す。

瞬間、空間が歪んだ。

目を開けると、そこは砂漠のような殺風景な地形だった。


「マナ・ヴェール!」


全員が叫ぶと、それぞれを囲むように透明な壁が出現する。

ルーダが正面に向かって走り出す。

俺は並走し、ワイバーンの左側面へ向かった。


ワイバーンの高さは3mほどだろうか。

思ったよりは大きくない。


全員が想定した配置に着くと、激しい戦いが始まった。

ワイバーンの爪が振り下ろされる。

爪の先端だけが、壁を越えて滑り込んできた。

咄嗟に籠手を構える。


傷はない。

それでも、腕の奥に鈍い痛みが走る。


「パンテラさん! 右後方にダークオイル!」


杖の先から黒い光が発せされる。


「五秒後、ウィングバッシュが来るわ!」


メンソールがリョウの背後につき、キャンシルがルーダを支える。


オオオオオオオオッッ


凄まじい衝撃波。

壁に走るヒビ。


「……リーフバインド」


パンテラの杖が怪しく光る。


「発動まで少し! ルーダ、シールドバッシュ準備!」


その時、ワイバーンがブレスを吐いてきた。

マナ・ヴェールが溶けていく。


「ポイズンクリア!」


キャンシルが叫ぶと、溶けていた壁が止まる。


「シールドバッシュ!」


連携が決まる。

ワイバーンの巨体が後方へ弾かれ、発動した魔法陣から蔦が巻き付いた。

さらに隣の魔法陣が光り、粘つく黒い液体が噴き出す。


「ファイアストーム!」


炎が一気に広がり、ワイバーンの身体を包み込んだ。

火は鱗の隙間に食い込み、振り払っても消えない。

羽ばたくたび、火は広がり、呻き声が洞窟に響いた。


「リョウ! とどめ!」


「寸勁!」


光が弾け、ワイバーンの顔が砕け散った。

支えを失った巨体が、音を立てて崩れ落ちる。


…やったのか。


「ふぅ。終わったわね~」


メンソールの声で、ようやく息を吐いた。


戦闘中は、時間が引き伸ばされたみたいに長く感じていた。

それなのに、終わってみれば驚くほどあっけない。

俺たちが強かったのか。

それとも――ワイバーンが弱かったのか。


時間が経ち、元の世界へと戻ると、


「宝石を溜めているかもしれないから、奥を探してみましょ」


メンソールが、楽しみを隠し切れない声で言った。

キャンシルも軽い足取りで続く。

俺も解放感に身を任せながら、彼女らの後をついていく。


その時、メンソールが急に立ち止まり、背中にぶつかった。


「ヤバい……パンテラさん、あれ……」


戦闘中以外では、彼女はいつも「パンチラ」と呼んでいた。

その口から名前が出た瞬間、胸の奥がざわついた。


何かいるのか——

覗こうとした、その瞬間。


「これ以上はダメだ。すぐに撤退です!」


「何がいる?」

ルーダが低く問う。


「ドラゴンです」


全員の顔から血の気が引いた。

昨夜聞いた咆哮——あれは。


視界が、黒に塗り潰された。


お疲れ様でした、りょうです。


5話、ワイバーン討伐いかがだったでしょうか。

初めての大型魔獣戦、リョウもパーティーメンバーも息の合った連携を見せてくれました。


昨夜の咆哮の正体が明かされましたが、これからどうなってしまうのか。

次回、お楽しみに。


いつも読んでくださり、ありがとうございます。

評価やブックマーク、感想など、いただけると励みになります!

次回は2/19(木) 20:00 掲載予定です。

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