表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
94/821

93P

学校に近づくに連れて、なんかどんどんと山田先輩の周囲には人が増えていく。それは別に女子だけではない。男子だってそうだ。そして一つのグループが形成されたと言っていいだろう。野乃野足軽も桶狭間忠国も思った……


(あれが陽キャか)


 ――と。それに別に山田先輩にはグループに加わらないが、挨拶をしていく奴がとても多い。なんかもうすれ違う人達全員が挨拶してるレベルである。どういう事? 


「おいまずいぞ」


「ああ……そうですね」


 野乃野足軽と桶狭間忠国は冷や汗を垂らす。なにせ、このままだと彼らもあの山田先輩に挨拶をする羽目になるんでは? って状況だからだ。なにせ前の彼らはグループである。そして二桁に届きそうな多さになってる。そうなるとどうしても歩みってやつは遅くなるだろう。


 てかそもそもが教室に入って話せって思うところだが、上級生だし、奴らは野乃野足軽と桶狭間忠国の二人よりも倍近く多い。そして向こうは学校の頂点に君臨してそうな陽キャな訳で、知り合いも多いと思われる。


 そんな奴らに目をつけられるということがどういうことか……野乃野足軽は知ってる。つまりは平穏な日常の終わり……というやつだ。いや、挨拶をするだけなら、何も考えずに「おはようございますー」とか言って通り過ぎれば良いんだが……


 なにせ昨日の戯言が二人には残ってる。そうなると、普通に接することが出来るか……特に桶狭間忠国は何か良からぬ雰囲気が感じられてた。


「おいおい、昨日の投稿何だよ。俺だって彼女のことは狙ってたんだぞ」


 そんな風に今一番気になることが再び話題のてっぺんに上がってきた。なんとなく最初の時は流してた感じだったが、今回はそうはいかないらしい。なにせ同じ様な……いや彼らのグループというか仲で山田先輩と双璧を成すと言って過言ではないもう一人の男性生徒である野原先輩がある意味で爆弾を投下したからだ。


 そのせいでちょっと変な空気になってる。みんなちょっと話題に出して山田先輩が流すからそれ以上踏み込めない……的な雰囲気だっだが、どうやら野原先輩はなあなあで済ませる気はないらしい。結構真剣そうだ。


 最初に合流した時は、軽い感じで合流してたのに……なんかこわ……っと野乃野足軽は思ってた。人間、何を思ってるのか……それこそ腹の中に何を抱えてるかわかったものじゃないなって戦々恐々だ。今の時代誰だってSNSをやってるんだ。そしてそれが陽キャな人達となるとそれはそれは積極的に活用してるだろう。それこそ野乃野足軽とか桶狭間忠国とかは見る側であって、自身で投稿なんてのはしない。


 別に投稿することなんて無いからだ。けど陽キャな人達はきっと投稿する側だろう。そんな彼らである。昨日の山田先輩の投稿を見てないわけがない。実際、あの中にはもそれを聞きたくてウズウズしてた人はきっと他にもいるだろう。


「誰かが話題をふってくれないかな?」とか思ってたところで、あの山田先輩と双璧をなすようなイケメンであるもう一人の野原先輩が話題に出したことで、一気に話題はそっち側にいくことになった。


 それを受けて、野乃野足軽と桶狭間忠国は歩みを遅らせる。このままだと普通に追い越しそうだったが、それをしないように、歩調を遅めた。けどそれはどうやら野乃野足軽たちだけではない。近くを登校してた生徒は皆、そんな調子だった。どうやら誰もがあの投稿の真実って奴に興味津々らしい。


「はは、そうなんだ。でも、なにって何が?」


「いや、ほら平賀式部ちゃんとなんか付き合ってるって……いつの間にそんなに仲良くなってたんだって事だよ」


「仲良くってか、俺はほら、お兄ちゃんだからな」


 その山田先輩の発言で彼の周りにいる人達だけではなく、その周囲で聞き耳を立ててた全員が頭にハテナを浮かべただろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ