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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
86/821

85P

「えっと……それってどういう意味?」


「それは……私とこうやってるだけじゃ物足りないのかなって思って」


「そんなわけないよ!」


 思わず、ちょっと声を荒げてしまった野々野足軽。すると平賀式部がその形のいい唇に手を当てて、「シー」というポーズをとる。本当に何をやっても様になる女である。まるで絵画にできるかのような一場面に見える野々野足軽だ。


 でも確かに下手に声を荒げてしまうのは良くない。なにせあの扉の向こうには誰がいるかわかったものではない。いや野々野足軽にはわかってる。あの扉の向こうには桶狭間忠国がいるということが。


 桶狭間忠国もまだ野々野足軽が平賀式部と共に昼食を取ってるということは確信えてない。だからその確信をこのまま与えずにいきたいところだ。なにせこの状況ってこの学校の全ての男子の夢だからだ。密室に美少女と二人っきり。別に何かいやらしいことをしてる訳ではないと堂々と言える野々野足軽だが……大抵の男ならこの状況なら妄想するだろう。


 リビドーが高まるようなことを。


 でも野々野足軽はそんなことをしないと誓ってる。なにせこうやってちょくちょく何か平賀式部は野々野足軽の理性を壊すような仕草とか行動とかやってくるが、彼女はそれを素でやってる−−と野々野足軽は思ってる。


 そして今の発言だ。彼女には他意はない。


(普段の状況を考えたらわかるよな。だから勘違いするな俺)


(そうでしょうか?)


(お前は人の心なんてわかんないだろ)


(否定はしませんよ。ですが……)


 何やら野々野足軽の中でアースが納得いかない……というような雰囲気を醸し出してる。けど野々野足軽に人の心がわかんないとか言われたら、別段否定することもできないアースだ。ここはこれ以上何かいうことはやめたらしい。


(平賀さんは普段から一人なんだよ。そこに現れた俺という存在。彼女の中ではそこに……その恋心とかはきっとなくて、単純に初めてできた友達って感じなんだと思うんだ。


 そして初めてだから、距離感がおかしくなってる。こんな誘うような事をするのだって、きっと不安だからだ。今、迷惑かけてるって思ってもいるだろうしな)


 平賀式部と付き合うとなると、それはそれは覚悟が必要だ。だって少し行動を変えただけで、男子どもが探るほどである。もしもこれが野々野足軽ではなく、なんの力もない普通の男子なら耐えられたか……それはなかなかに難しいかもしれない。


 そして平賀式部は野々野足軽のことを普通の男子だと思ってるだろう。だからこそ不安になったんだと野々野足軽は思った。でも流石に力のことは言えない。だから少しでも安心させるためにこういった。


「俺はこの時間が何よりも大切だよ」


「それって−−」


「ああ、俺はこのくらいで平賀さんとの友情を捨てたりしないさ」


「……うん、ありがとう」


 なんかちょっとテンション下がったように平賀式部はそういった。

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[気になる点] 恋人宣言忘れてるのかこのボンクラはよォ〜?
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