第六十二話Part4
仏像のような妖怪を守ってた有象無象の妖怪たち。その壁を引き剥がして、投げ飛ばして、その壁は鬼たちの手によって無くなった。さぞや焦ってるんだろう……とそんな風に小頭は思った。
だって強さ的にはあの仏像のような妖怪は絶対に鬼男や鬼女には勝てない。それはヤツ自身が一番わかってると思う。だからこそ、自分の手下を密かに増やしつつ、自分自身では小頭達のような力を持ってない弱い者たちを狙ってきたんだろう。小頭たちを人質にすることで、鬼たちを抑えようとした。
それはとてもかしこいやり方だったと言わざるえない。普通なら小頭たちが洗脳された段階で終わってたかもしれない。でもここで計算外だったのは、きっとそれも鬼たちの強さだろう。
でもその強さは想定してたであろう体の頑強さや、その出力……とかじゃない。もっと内側の想定外……心の強さだ。鬼たちの世界は小頭達のこの世界のように平和……ではないらしい。
外からの侵略者……この門と同じようなものから異世界からの侵略者がやってきてるということだった。だから鬼たちの世界は戦いが日常……そしてそこでも彼等は軍人なのだ。
だから守るとか戦うとかいう気持ちと覚悟……それが今まで戦った事なかった小頭たちとは一線を画すのは当然だと言える。その強い心が、あの仏像のような妖怪の精神支配を遅らせた。
小頭達のように簡単にその体を譲り渡したりはしなかった。その御蔭で援軍は間に合って形勢は逆転したと言える。やつの全ての小賢しい作戦は今や水疱に帰した。それならば……
(もう諦めてくれたらいいのに……)
それである。小頭が理解できてることだ。ならばあの知性がある仏像のような妖怪だってわかってるだろうって思える。なにせこれだけ戦略的にやってたきたんだ。それらが通用しなかった。ならばもう「降参だ」してもおかしくない。
いや小頭ならそうするだろう。
(だって別に殺される訳じゃないんだよ?)
そう思う。別に殺されるわけじゃない。なにせこっちの世界に妖怪の痕跡を残して置きたくはないからだ。実際世界には色んな伝承の中に今やいない生物の痕跡がある。
それらはこうやって門が開いて過去にもどこかの世界の存在がやってきたから……かもしれない。だからある程度の影響は世界は許容してるのかもしれない。でもそれに甘えるのはだめだろう。だって世界は今大きく変革してる。
それに拍車をかけるかもしれない。何が起きるのかわからないのなら、何も起こさないようにしたほうがいい。小頭たちは自分たちに責任を求められても困るからだ。
仏像の妖怪は頑張った。そういえる。でも、当然鬼たちには勝てるわけなく……ボッコボコにされる。腕が外れて、座ってた頭を無理やり首にねじ込まれてた。まるで胸に頭がついた……みたいになってる。もう無理だよって小頭は思ってる。




