第六十二話Part3
「今更雑魚を」
そんな事をいう鬼女の言う通り、今まで地道に仏像のような妖怪が解放してきた妖怪たち、それを一斉にここに集めてきた。でもよく考えたら、あの妖怪たち……大妖怪からの洗脳から解放されたのに、今度はあの仏像のような妖怪に洗脳されてるんだよね。
なんか哀れに見えてくる。弱いものには選択権なんてない。それが妖怪の社会なのかもしれない。
よくわからない声を出す仏像のような妖怪。それが合図になって、集まってきてた妖怪たちが一気に動く。いや、動こうとした。でも次の瞬間だ。
「止まりなさい」
妖怪たちが一斉にその動きを止める。まさに動き出そうとしたその瞬間に止まったのがわかるように、彼等はブルブルと震えてた。一本足の笠に、ムカデのような1つ目、てるてる坊主のようなヤツとか、人面犬……そんな色々な集まりの妖怪たち。それらが一斉に……幾代の言葉によって縫い止められる。
「そのままにしておきなさい!!」
鬼たちが出る。そしてそれは圧巻だった。彼等はその体にある拳と足で、妖怪たちを叩き潰して、そこそこ遠くになった門へと投げていく。
(あれって一発殴る意味あるのかな?)
声も何も聞こえない中、小頭はそんなふうに思ってた。おばあちゃんの結界は凄くて、夏の暑さも蒸し暑さを運んでる風も防いで、戦闘の埃っぽさまで完全にシャットアウトしてくれてる。
だから完全にこの結界の中は外と隔絶されてるような……そんな状態だと小頭は分析してた。本当なら一緒になって……とかは流石に小頭はおもってなく、大人しくここから鬼たちやおばあちゃんのことをみてる。
そして考えてる。流石にぼーっとはしてられない。確かに小頭には力はない。でも力以外でもこれまで何回も小頭は貢献してきた。だから考えるのはやめちゃいけないという気持ちはあったんだ。
幾代の力によって縫い止められた妖怪たち。それならそのままもう投げ飛ばせばいい。門に入ったら簡単にでてくる事はできないらしい。ならば一回殴る意味はないんじゃないか? ってね。
多分だけど、幾代だってあの状態を維持するのは辛いはず。だったら一発バコン! とやってからよりも、さっさと投げ飛ばすほうが良さそうに思える。でも二人ともバゴンバゴンとして投げ入れてる。
これが鬼女だけならただの八つ当たりか? とも思えた。けど鬼男も一緒になってやってるとなると、それが必要なのかな? って小頭には思えた。




