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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第五十九話part5

「あいつがあんなに頑張ってるんだ……」


 涙を拭いて、外を見ることで野々野小頭は何かこの状況を好転させる何かはないか? それを探ろうとする。でも……


「狭すぎるよ……」


 ちっちゃな鍵穴から見てるみたいにしか外を見れない今の状況はとても不便だ。なにせ今野々野小頭は鬼女に抱き着いてる状態だから、この狭い視界ではそもそもがすでに視界は鬼女の浅黒い肌でいっぱいだった。

 それ以外を見ようとするのはとても難しい状況だ。


 ガギィィィィン!

「んにお! うむあむあ!!」


 ? である。なにかそんな激しい音と共にそのあとに理解不能な変な声が耳に入ってくる。理解できないということはあの仏像のような妖怪が何かしゃべってる? とも思ったけど、たぶん違う。今の声はきっと鬼女だと小頭は思った。どうやら鬼女はうまく仏像の攻撃を回避してるみたい。

 でも今、その体には自分という小頭含め、お母さんにお父さん、そしてお爺ちゃんが組み付いてるんだ。そうなると、とても動きにくいことは間違いないだろう。


 だからさっきまで普通に見てた時のようなめっちゃ激しい動き……それこそ地面を穿つように踏み込み、空高くジャンプして敵自体も足場にするような……そんな戦いはできない。いや、もしかしたら出来るのかもしれない。それこそ野々野家の面々をまったく気にしなかったら、鬼女の筋力というか力なら出来るだろう。

 だって別に鬼女は野々野家を使った拘束を煩わしい……とは思っててもこれが致命的……だとは思ってないからだ。でも、なんだかんだいいつも、彼女は優しい。あまり激しい動きをしたら、野々野家の面々が受けるダメージが大きくなることを想定して最小限の動きにとどめてるし、最悪自分自身がその攻撃をその身で受ける事にしてる。


 けどそれは鬼女の自己犠牲精神……とかじゃないみたい。だって……


バギィィィィン!


 と激しい音と共に「ぶっ」と何かを吹く音。何をしたか、よくわかってない小頭だけど、なんとか狭い視界で見えた感じでは、もしかしてだけど……


「え? こいつ仏像の攻撃、口で防いだ?」


 さらに鬼女はなんでもないように歩き出す。そう歩いてるのだ。小頭たちを引きながら、普通に一歩一歩仏像へと向かっていく。わずかな動作で仏像の攻撃を避けてる。でもそうくるといわゆるモンスターみたいなやつらである妖怪はすぐに考えをいやらしい方向に変えた。

 それはいわゆる絶対に避けない奴に攻撃の対象を変えるということ。それはどういうことか? つまりは洗脳済みの小頭たちを狙うということだ。最低だ。でも、そんなことを妖怪は思いもしない。けど、そんな考えは鬼女はお見通しだったみたいだ。

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