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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第五十九話Part1

「大丈夫? みんなボロボロだね~」


 鬼女はもの凄く軽る小頭達にそういってくる。へらへらとしてるそんな鬼女を見てると、小柄はイラっとしてしまう。だって、こっちは必死だったのだ。死にそうだった。事実、最初の一回が致命傷を狙われてたら……小頭達はその時に終わってたのはた確かだ。


「うっさ――後ろ!」


 文句の言葉を紡ごうとしたとき、小頭の目には一回鬼女によって吹っ飛ばされてた仏像の胸から上の部分……それが大きく半円を描くようにして戻ってきてるのが見えた。

 けど鬼女は余裕を崩さない。小頭の言葉を受けて……ってわけでもない。きっと彼女は気づいてたんだろう。だから向かってくる仏像の上半身を綺麗な回し蹴りで再び吹き飛ばす。


「そんなもん? もっと楽しくさせてほしいんだけど?」


 余裕しゃくしゃくの態度。実際、あの仏像のような妖怪と鬼女の間には埋めようのない差がきっとあるんだろう。小頭にはそれはわからない。けどあれだけ余裕を出してるという事は、どんな事をされてもあの妖怪は脅威じゃない……と鬼女は判断したんだと小頭は思った。


 これならもう……


(大丈夫だよ――ね!?)


 ドクン! と体の奥が熱くなる。目の前がかすんで、まるで血液か沸騰してるかのよう……小頭は体を小さくして、その内側から燃え上がるような……体を焦がしそうな衝動に耐えようとしてた。


(な……に?)


 いきなりの異変。思い浮かぶことと言えば何か? 混濁しそうな意識の中でひときわズキズキと痛むその出所が浮かんでくる。


(まさか……毒……とか?)


 それが真っ先に思い浮かぶ。だってこの体の異変……ものすごく熱くて小頭は自分が溶けてなくなるんじゃないか? とさえ思えてた。もしかしたちらこれは、痛みを通りこした感覚なのかもしれないって……なにせ妖怪はこの世界の存在じゃない。だからこそ、きっと毒だってこの世界では作れない類の物のはずだ。

 だからこんな熱いのかもしれない。毒死は苦しいとか聞いてた……実際苦しくないか? で言えば絶対的に苦しい。なにせ溶けそうなんだから、苦しくないわけない。


(お父さんや……お母さんたち……は?)


 あの仏像のような妖怪から傷を受けたのは小頭だけじゃなかった。お父さんもお母さんも、そしてお爺ちゃんだって傷をもらってた。となれば……と小頭には嫌な予感が走る。でも、一番近くのお母さんでさえ……小頭には感じる事は出来なかった。

 だって、燃えるように感じてる自分の体では、全部の方向がただただ熱いしかなかったからだ。

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