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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第五十七話Part7

「今の私なら大丈夫。この姿を見たらわかるでしょ?」

「確かにその姿は機敏そうじゃな……」

「そう、すっごく体が軽いのよ?」


 そういって軽やかにステップを踏んで見せるおばあちゃん、というか育代。おばあちゃんの場合、その姿だけが幻覚みたいに変わってるわけじゃなく、本当にその姿が若返ってる。

 それがおばあちゃんの能力だ。だからこそ、本当に体が軽いんだろう。


「すごくうらやましい力……ですね」


 お母さんがぽつりとそういった。実際小頭にはよくわかんないが、若返るというのは若かった頃が過ぎ去った者にはとても魅力的なのだ。小頭は今まさに若さ真っ只中にいるといえる。だからこそ、その貴重性が分かってない。

 若さなんてのは人生の中の最初で最後の輝きなのだ。その時にはその貴重性が分かることはない。でも過ぎ去ると、その日々がどれだけ輝いてたのか……それがわかってしまうのだ。


 そしておばあちゃんもお母さんもそれをわかってる。女性であるお母さんが思わず言葉をこぼしたのは、きっと女性の方が『若さ』へのあこがれが強いからだろう。

 

「こればかりは……ね。だから任せて」


 おばあちゃんはお母さんに悪いと思ってるのかもしれない。なにせ力を分け与える……なんてことはできない。もしかしたらもっと熟練したら、他人の若さ……とかも操れるようになるかもしれない。

 でも、今はそんなことはできない。おばあちゃんが今操れるのは自身の若さだけ。けどもしかしたら将来的には他の人にその力の影響を及ぼすことができる可能性はある。

 だって大妖怪の封印。それにはおばあちゃんの力を応用してつかってるのだ。つまりはおばあちゃんの力は他者にも影響を与えることができるということだ。

 それはまだ限定的だけど、もしかしたらそのうちお母さんを若返らせることができるようになる可能性はある。


「えっと、母さん。体が若返る力を持ってるのはわかったよ。でも他には?」

「ほか?」

「何言っておる国人?」


 お母さんもおじいちゃんもお父さんの言葉に首をかしげてる。だって若返る力なんてすごいからだ。けど、お父さんはこういった。


「だってそれって十代の女の子になってるんだよね? それで身体能力が普通の女の子なら……ほかに力がないのならあの中に行くのは危ないんじゃない?」

「どうなんだ?」


 おじいちゃんはお父さんの話を聞いてそんな風におばあちゃんにきく。けど、おばあちゃんは確信的な事はいわなかった。


「大丈夫よ」


 そう、それだけいった。


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