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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第五十七話Part4

 もしかしたら洗脳状態の妖怪たちの状態が解除されてるかもしれない。その考えが野々野小頭の頭によぎった時、全身に悪寒が襲った。だってそれはまずい……まずいって考える。

 今はまだそんなに目覚めてる妖怪は少ない。全体の一割にも満たないだろう。けど、少しずつでも妖怪たちは目覚めてる。その事実がまずいんだ。


「私、二人に伝えにいくよ!」

「待ちなさい小頭!」

「何!? だってこれって放置なんてしてられないよ!」


 お母さんが飛び出そうとした小頭に声をかけたわけだけど、小頭の腕を肩を掴んで止めたのはお父さんだった。小頭も中学三年生だ。まだまだ子供とはいえ、体は大人に近づいてるわけで、女性のお母さんなら小頭でも振りほどけてたかもしれない。

 なにせお母さんはそう……ちょっと運動不足感が出てる体系をしてる。昔は、それこそ小頭がもっと小さな時、幼稚園とか小学生の時はもっとスラっとしてた記憶がある。でも今はそう……世に言う『お母さん』という体系をしてると言っておこう。

 だから学生として体育してる小頭とお母さんでは体力とか違うだろう。それをわかってかは分からないが、お父さんが小頭を止めてた。


「二人ともわかってないんだよ。私たちがどれだけ苦労したか。またあの数の妖怪が解き放たれたら、今度また同じように出来る保証なんてないよ」


 流石に大妖怪たちの封印が解かれないと全部が解放される……なんてことはない。けど、妖怪たちは多いんだ。もしも次々と正気に戻っていって鬼たちに向かって行ったら……ううん、寧ろそっちならまだありがたい。

 今の状況がまさにそうだけど……鬼たち二人は強い。とてもとても強い。だって大妖怪をボコって封印出来るほどなんだから。


「あの二人なら大丈夫じゃないかの?」

「おじいちゃん、確かに二人は強いよ。けどだからこそ、正気に戻った妖怪が逃げに走ったら? そうなったらとっても厄介だよ」

「……なるほど……の」


 おじいちゃんもそれを想像してくれたんだろう、納得してくれた。それにお父さんもお母さんもきっとわかった筈だと小頭は思ってる。これは放置しておいていい事じゃないって。


「でもまだそうと決まったわけじゃ……だから落ち着きない小頭」


 お父さんが優しく小頭にそういった。何度かお父さんの手から逃れようとしてる小頭ではあるんだけど、流石に成人男性の力にはどうしようもなく、その手から逃れられる気配はなかった。

 こうなると説得するしかない。まだお母さんたちはちゃんと事態を把握できてないようだ。これはそんな悠長な事を言ってる事態じゃない――と小頭は思ってる。


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