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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第五十二話Part3

「どうして……」


 野々野国人はそう思ってた。だって野々野国人は自分がモテナイということを自覚してる。そんな壊滅的なブサイク……であるとは思ってない。確かに地味だとは思ってる。昔から印象に残らない顔だといわれてきた。薄味顔なのである。


 それに対して彼女は……婚約者じゃない彼女はパット見でも美人……といえる。飛び抜けて……という感じじゃないのかもしれないが、クラスで3番目に可愛い子……くらいのポジションにはいそうだ。


 それに大人的魅力が合わさってるから、普通に多く声をかけられるだろう。その中には当然イケメンだって多数いるはずだ。つまりは彼女は野々野国人にこだわる必要なんて一切ない。

 その筈。なのに……何故か野々野国人に迫ってくる。


「なんで……俺なの?」


 ふと……疑問に思ったことを聞いた。なにせ野々野国人は自他ともに認めるフツメンだ。体だって別に鍛えてるとかなく、昔は痩せ型だったが、アルコールも取るようになり、学生時代のように運動だって……確かに営業はオフィス業務の職種よりは運動してると思うが、昔よりもお金に余裕があれば食べる事は出来るわけで……そうなるとやっぱり太り気味になる。

 肥満ってほどではないかもしれないが、徐々に太ってるのは野々野国人にだって自覚はあった。つまりは……だ。別に野々野国人は自分にそんなに魅力がある……なんて思ってないのである。だから聞いた。そしてその答えは……


「優しいから?」


 何故か疑問形だった。確かに野々野国人は優しい。それは自覚ある。せめて優しくしようと思ってるからだ。だってこんなに普通なのに性格までクズだったら誰からも相手にされないだろうって国人は思ってる。

 だから極力優しくしようと思ってる。でも……それが正しいのはわからない。正直、いいように使われてるときもある。


「優しい人なんて、俺以外にもいるよ。それに君なら、俺にこだわる必要なんてないだろう?」

「そんな事ない。出来る女がなんて思われるか知ってる? 一人でも大丈夫でしょ? って思われるのよ! そして若くてあざとい女に皆行くのよ!」


 なんか魂の叫びのようなことを彼女は言ってた。けどその言葉はとても実感がこもってた。きっと何度もそんな事があったんだろう。彼女の下の世代は結婚が続いてる……とかあるのかもしれない。

 それでより焦りを感じて……国人の優しさにころっといってしまったとかなのかも……でもそれを聞いてより国人はおもった。


「やっぱり、そんなのはだめだ。そんな気持ちは間違いだ」


 そう言ってた。だってそれは……恋じゃない。


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