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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第五十二話Part1

「もう、会うことはできないよ。こっちも大変なんだ」

「どうして?」

「どうしてって……その、君との関係を疑われてて……」

「うん、そうね。でも何も問題なんてないわ」


 問題ない? 野々野国人の言葉に電話越しの彼女はそんなふうにいってくる。本当なら今はもう、本当の彼女と仲直りをしているはずだった国人である。けど……それは叶わなかった。今やもう、婚約は白紙になりつつある状態だ。

 本命の彼女の心が完全に野々野国人から離れつつある……というのも流石にニブチンある国人だって感じてる。だからこそ、彼女との関係は終わらせようと思ってた。そもそもが関係……なんてほどの関係だってない。

 友達……という程になってるかも怪しいと思ってる。野々野国人的には出会ったときよりも関係は進んでても、それでも何もなかったし、良くて友達。でもそれも怪しいところではある。

 だって「友達になってください!」とかも言ってないし? というのが国人である。だからあくまでも知り合い……でもどうやらなにか……なにか国人と彼女の間で認識の違いがあるのかもしれない。


「問題ないって……なにが? もう、問題は起きてるんだよ」

「ううん、それは問題じゃないの。問題なんて思わないで」


 何かが含まれる言葉。顔はみえない。彼女とはテレビ電話をしてるわけじゃないからだ。けど……その湿っぽい言葉が野々野国人は不気味だと思った。それに国人と彼女の会話は噛み合ってない。

 問題だと思ってるがその本質事態は国人は理解してない。けど本命の彼女と分かれそうになってるのが『問題』と認識はしてる国人。けど婚約者という存在が国人から離れようとしてることを彼女は『問題』とは捕らえてない。そんなところだろう。


「だって私がいるわ。私が婚約者になってあげるわ」


 ハッキリと……電話の向こうから聞こえたそんな声。それは確かに国人の耳に入って頭に入ってきた。そのはずだ。けど、まるで反対側からでていったのか? と思うほどに野々野国人の頭には残らなかった。いや違う。

 国人はきっと理解できなかったんだ。


「え? なんて?」


 思わずそんな風に聞き返してた。


「だから私が君の婚約者になってあげる。それで式を上げましょう。それで何も問題ないわ」


 電話の向こうの彼女の声はとても嬉しそうに聞こえる。自分が変わりになるから問題なんてない。そう、彼女は言ってるんだ。

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