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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第五十一話part5

「別れましょう」

「え? なん……で?」

「なんで?」


 キッ――と睨まれた野々野国人。それまでは野々野国人の婚約中の彼女は穏やかに話をしようとしてた。感情的にならないように……そう思ってた。何日も泣いた。そのせいで目元は腫れてたり、寝不足のせいでかなりひどい顔色だったが、メイクで隠して彼女はこの話し合いにのぞんでた。けどそれを……国人は全く察してないようだ。

 まだなんとかなる……とか思ってる。誤解を解ければわかれることなんてないだろうって思ってる。だからこそ「なんで?」なんて現状がわかってない言葉が出てくる。

それが彼女にはたまらなくイラつくことだった。


「だからあれは違うんだ。あの人とは別になんでもないんだって好きなんて感情はないんだよ。好きなのは君……だけだ」


 彼女に伸びてくる国人の手……それを静かに回避した彼女。彼女は何年も彼と付き合ってる。惹かれたのはその誠実さゆえだ。国人は女遊びとかするタイプではなかった。女友達がそもそも少ない。だから国人の周りには彼女しかいなかったといっていい。安心できた。けどそこに別の女がやってきた。しかもいきなり式場に一緒に行く? いろいろとおかしいとは彼女も思ってる。きっと国人の言ってることに嘘はない。

 でも自分たちの式場を別の女と選んでた……という事実が許せないのだ。そしてそれをなんとも国人は思ってない。もしかして国人は自分の気持ちなんてどうでもいいんじゃないか? という疑問が湧き出てる。そのせいで結婚に不安がひろがってる。一度距離をとるのも悪くないんじゃないか? と思ってる。そもそもがこの結婚自体が親同士の見栄……みたいなものだ。

 二人は結婚式自体はもっと後でもいいと思ってた。けどそれが不憫だとおもったのか、相応の親がお金を出すことで結婚式をすることになってた。けど彼女は楽しみにしてた。それはそうだろう『結婚式』というのは女性の夢……みたいなのがある。今の時代はそれほどまで……なのかもしれないが、けどあこがれはきっとどんな女性にもあるのではないだろうか? だから結婚式をする――となったら彼女はいろいろと願望が出てきてしまってた。それは自覚してる。


 きっと彼女は自分だけが浮かれてる……国人につき合わせてる。と思ってた。だからまだチャンスはあった。国人がちゃんと理解して、お互いに話し合って……それで……それで、二人の不満が解消されたらもう一度やり直すことができる……そう思ってた。でも……国人は何もわかってない。そう……なにも。

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