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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
76/822

75P

どうして桶狭間忠国に野々野足軽が認識されてないのか……実際のところは桶狭間忠国は平賀式部がいるあのクラスで一番怪しいやつとは思ってる。なにせ最近、平賀式部が男子と喋ったって話題になってたからだ。コミュニティーとかに属してない桶狭間忠国だし、テクノロジーというものに疎そうに見られることもある奴だが、桶狭間忠国も現代っ子よろしく、ちゃんとテクノロジーに染まってる。


 それこそSNS問題とか色々とニュースでは騒がれてたりする奴だが、ただ学校でのニュースや情報を交換するSNSとかもある。そういうのを桶狭間忠国は使ってる。特別仲がいい奴らがいるのなら、自分たちでグループを作ったりするのだろうが、生憎と桶狭間忠国にはそんな仲間達はいない。


 それか気が合う奴らを見つけるために、いろんなジャンルのコミュニティーってやつもある。それこそ漫画が好きならその枠が立ってたり、スポーツならやる方とか観る方とかさ……色々と細分化されてるわけだ。


 桶狭間忠国も一応そんなコミュニティーに馴染もうとしたことはあった。それこそ筋肉コミュニティーとかあったし……でも趣味の域を超えてしまってる桶狭間忠国のトレーニングは「頭おかしい」と言われたので、こいつらとは無理だなってなった。


 あと他にも色々と努力はしたが、最終的にはただ話題に乗り遅れないようにするために学校での話題を提供してくれるところだけを覗くだけになったんだ。そこではよくこの学校の美女達の話題が上がってる。


 なにせ高校生なんて思春期真っ盛りだ。そういう話題はどうしても起こる。それに盛り上がるだろう。だからそういう話題は多い。そこで平賀式部が彼、野々野足軽と最近は親しくしてるっていうニュースがあった。


 そして最近、昼休みになると姿を消す彼女……それを考えた時、自然と点と点が結びつく先には野々野足軽という男子が浮かび上がる。でも誰も確証は得てない。なぜなら一緒に弁当を食べてるところを目撃してるわけじゃないし、もしも一緒に昼休みにご飯を食べてるのだとしたら、その部屋から一緒に出てくるはず……いや一緒ではなくても、時間差で同じ部屋から出てくるはずだ。


 しかも昼休みという時間帯は有限であり、その後には午後の授業がある。もしも人目を気にして時間をズラしてるとしても、午後の授業には間に合うように絶対に出てくる時間……タイムリミットは存在してる。


 なのに……だ。まだ誰も平賀式部が昼休みに誰かと一緒だという確証はない。なのでSNSの方では既に気分転換に一人で食べてるんだろうってことになってる。なにせ平賀式部は美少女だ。一人で教室で弁当を食べてたとしても、そこに注目が生まれる。なにせその様子を見るために意味もなく廊下を横切ったり、教室に止まったりしてたやつがいないわけはない。


 だから落ち着く場所を探してて、そこを見つけたのでは? っていう感じになってる。そして自らの行動を反省した奴らは「昼休みくらいゆっくりさせてあげよう」ってことで大体纏まってる。


 だが、そんな風潮を全く無視してるのが桶狭間忠国という男だ。彼は確信してた、何か証拠があるわけじゃない。だが、確実に昼休み後の平賀式部は機嫌がいいと。そこには何かしらの理由がある。


 元々表情が乏しい彼女があそこまで機嫌の良さを出す……そこらのただの勘違い野郎達なら、視線が無くなってリラックスできてるからだろうなんて思うだろう……と桶狭間忠国は鼻で笑う。


(誰も何もわかってない)


 そう、平賀式部を理解できてるのは俺だけなんだ−−と拗らせつつある。

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