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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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???話PartD10

 野々野足軽は自身の半分……正確には半分ではないが、その位の体を意識的にはささげている。自身の左半分……それによってこの界域の中にあった新たな力と野々野足軽は繋がった。

 でもふと思ったんだ。ここからでたら、この体はどうなるんだろう? ――と。だって存在は置き換わってしまってる。有るようで……そしてない。それが今の野々野足軽の左半分の体の状況といっていい。言う馴れば野々野足軽の今の左半分はある力に対応する次元にはあって、そしてある力に対応する次元にはない……となってるみたいだ。

 本当なら、野々野足軽の今の体の状態は死んでておかしくない。だってある次元にはない……といえるから、ない部分は傷……欠損として生命活動に支障をきたすのは明白だ。

 左腕も、そして左足も、なくなっても生きていくことはできるだろう。ちゃんと止血したら……でも流石に脳の半分……顔の左半分の部分はなくなったら、生きていられるのはわからない。

 でも今……その状況でも野々野足軽は生きてる。それはどうやらこの界域という場所が特殊だから……だろう。とっても特殊な場所だから、今の野々野足軽の状態でもなんとかなってると、野々野足軽は思ってる。

 だって右側の手で左側には触れられないし、左側では右側には触れられない。あるんだけどなくて、ないんだけどある……その状態で生きてられるのは、この界域だから。


「けど、やってみるしかないよな」


 それしかない……と野々野足軽は思った。色々と無茶してるし、わからないことは多い。でも、一つだけ確かな事が野々野足軽にはあった。それは……


「今の俺なら、この力を使える」


 そういうことだ。左側を捧げることで、この力をより詳しく感じる事ができる。なにせ、野々野足軽の左半分はこの力を受けて、こんな風になってしまってるんだ。右側と左側で見える世界が変わってる。右側はこれまでと変わらない景色だ。混ざりあった力は大きく激しい。力の中で、立ち往生してる野々野足軽。その体には今までの力が貼ってある。周囲は暗い。混ざりあった力は世界を黒く染めてるようにみえる。

 それに対して、左側……その目に見える光景はもっとカラフルで……明るい光景。それに右側では暴風のように思えた力の流れも……左側では違ったようにみえる。いくつかの支流と大きな本流……そしてその本流には沢山のきらめきがある。まるで星から夜空を眺める様な……大きな天の川を見てるような……いや気持ち的にはその中に野々野足軽もいるんだろう。

 それに……ピクッと左手の指先を動かす。そこには繋がってる力がある。小さな小さな力の流れだけど……それは確かにこの大きなカラフルな天の川の集合体みたいな中に流れてる。

 だから野々野足軽は広げた手のひらを再び握りこんでいく。何かの感触がある。それはきっと力。ここに集って混ぜ合って、新たになった力。それを……野々野足軽は確かに掴んで、そして……引っ張った。

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