表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
75/821

74P

昼休みだけ、今はお昼を平賀式部と共に食べてる野々野足軽。それはとてもリスクが高い行為だ。今まで通りに、あんまり接触するのはどうかと思ったが、そもそもがあの手紙を送った相手というのは学校内にいるわけで、学内で不安になるのはしょうがない。


 だからせめて昼休みだけでもどうにか心安らぐように……と考えた結果がこの人気のない場所で静かに過ごすことだった。別に昼休みに野々野足軽が誰にも誘われないほどにボッチかというとそうでもない。


 時々、一緒に飯に行こうぜ! とか言ってくれるやつがいたりする。本当に時々だが……だけど、今は昼休みは平賀式部へと注いでる。それにたった二人で過ごす時間を野々野足軽は役得だと考えてる。


 誰もが憧れてる平賀式部と昼の時間だけと言っても一緒にいる。そんなに沢山話すことがあるのか……と言われるとなかなかに困るが、そこはいっぱい最近は話題を事前に集めてくるくらいである。


 それで何とか気まずい空気を出さないようにしてる。きっと誰も、野々野足軽が平賀式部と一緒に弁当を食べてる……というのは気づかれてないだろう。野乃野足軽も今の自分の立場を気に入ってるし、平賀式部とのことが噂にでもなれば、この前みたいに陽キャ共が関わってくるだろう。


 それだけならまだしも、何か面倒なことが起きるかもしれない。だからこの時間をしられるわけにいかないということで、一緒にこの場所に来る……なんてことはもちろんしてない。


 昼休みに入ったらそれぞれ席を立ちそれぞれが時間をずらしてこの部屋へと集まってる。


「ご馳走様。えっと……」


 どうやら平賀式部は先に小さな弁当を食べ終わったらしい。行儀よくその弁当を片付けて行ってる。それから何やらモジモジとし出した。何やら大変に可愛らしい。なるべく気づかないふりをしてる野々野足軽だが、その脳内フォルダには沢山のショットを保存してる。


「えっと、毎日付き合わせてるので、これを……」


 そう言って平賀式部は可愛らしく包装された紙をくれた。


「これって……」


「えっとクッキーです。焼いてみたんです。大丈夫、ちゃんと上手くできたのを持ってきたので」


「あ、ありがとう」


 野々野足軽はこんなに幸せでいいのか……と恐ろしくなった。ある意味でこの状況を作り出したやつに感謝しかない。


(いますよ)


(わかってるよ。でも今はこの幸せを噛みしめさせろよ)


 脳内でアースがそんなことを言ってくる。そしてそれは野々野足軽だって気づいてる。なにせここ最近、野々野足軽はずっと気持ち悪いラブレター送ってる相手、「桶狭間忠国」を監視してるんだ。


 そして今日も今日とて、彼はこの部屋へと入る扉を監視してる。それはもう三日前くらいからだ。でもまだ野々野足軽のことは気づいてない。それはもちろん、野々野足軽が力を使ってるからだ。


 でも野々野足軽もあの桶狭間忠国とかいう人間を観察してこう思ってる。


(あいつはかなりやばい)


 とね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ