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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
74/821

73P

桶狭間忠国は敏感に平賀式部の機嫌を察知、そして探りを入れて確信した。ここ最近、彼女が機嫌が良いということに。クラスメイトにそれを聞いたところでそれが分かるやつはいないだろう。そもそも、桶狭間忠国はクラスに話すような相手は居ない。桶狭間忠国は自分がこのクラスでハブられてるとおもってるが、実はそうじゃなく皆がその存在感の割に大人しくしてる桶狭間忠国にびびってるだけだ。


 けどそんなことには感心なんて無いから、クラスでの評価を改めようなんて思ってはない。今は何よりも平賀式部の事だ。


「やはり昼休みに何処かで弁当を食べてることか? 一人なのか……それとも……いや……もしかしたら……」


 ここ最近の平賀式部の変化はだいたい調べた桶狭間忠国である。勿論バレるような失態などしてない。そんな素人臭さい行動なんて桶狭間忠国はとらない。同年代の奴らが行うスパイごっこなんてちゃちなことなんてせずに、やるなら本格的に……そして徹底的にやるのが桶狭間忠国という男だ。


 そしてそれによって彼の脳内には平賀式部の一週間のスケジュールが埋まってた。大体朝はこれくらいに起きて、夜はこれだけ睡眠してる……というのをだいたい把握してるキモさである。でもそれだけの能力がある桶狭間忠国だが、平賀式部の行動の中にいる『誰か』にはたどり着いていない。


 だからこそ、変な方向にその思考はそれていく。いや桶狭間忠国は自分の力を信じてる。それは奢ってるわけじゃない。自分の力を正しく把握して、それでも今のところ平賀式部は常に一人でいる……ということに確信をもってるからこそ、その行動の異変が何か……と考えた時自然とある一つの結論にたどり着いたんだ。


 それは……


「俺の手紙……か」


 そう言って彼は机に忍ばせてる可愛らしい便箋を見る。勿論ちらっとだ。なにせ男がこんなのを持ってるなんてクラスの奴らには知られたくない。そのくらいの羞恥はある。けどそれ以上に今は桶狭間忠国に満足感が出てきてた。


「伝わってる」


 そんな事をつぶやいて桶狭間忠国は握りこぶしを作った。心を込めて綴った手紙だった。何かの反応を期待してたわけじゃない。でも、この思いを伝えたかった。だからしたためた。


「これはきっと彼女からのメッセージなんだ」


 こじらせた桶狭間忠国は変な解釈の元、おかしな行動をこじらせていくことになる。

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