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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第四十七話Part8

「うわあああああああああ!!」


 少年は小屋の扉が開いた瞬間に、目の前の男性にとびかかった。それがどれだけ意味のない事であっても、それをやらないと幾代が連れ戻されてしまうとなったら、やらないととおもった。だってせっかくここまでやったのだ。

 助けるという意味と、そして少年の気持ち……それが重なり合って、無謀でも少年は動く。行き成りの事で、扉を開けた大人は警戒なんてしてなかった。そのおかげだろう。とびかかった勢いのまま、少年は大人を後方に押し倒す事が出来た。


「かはっ!?」


 背中を地面に強打した大人が辛そうな息を吐いた。でもまだあと二人いる。月明かりに照らされる大人は何やら法被のような服をきて、足は草履とふくらはぎまで巻いた布みたいな……そんなお祭りか? という格好をしてる。一人の手には揺らめく提灯。そもそもが頼りない明かりでしかないが、少年は咄嗟に地面にあった小石をとってそれを提灯めがけて投げた。


 ガっ――


 そんな音と共に「いっ!?」――という大人の痛みに反射した声が聞こえた。そして落とされる提灯。その時の衝撃でたたまれた提灯は中の蠟燭によって皮である提灯部分の紙が燃えだした。


「おい!」

「このガキっ!」


 燃え上がる提灯を見て憤る者、こんな事をやらかした少年に怒りを燃やす者……そんな風に分かれてる。少しだけ提灯だった時よりも可燃物になった提灯は周囲を明るく照らした。でもそれも僅かな間だ。あっという間に燃えてしまった提灯は僅かな火を残して、この場に闇をおろさせる。

 でも少年は冷静だった。もう覚悟を決めてたからなのか、大人たちよりもよっぽど上手くこの場を支配しようとしてた。


「おい」


 少年は自身を見逃さないように追ってた大人にそう声をかけた。その人はなんとか提灯が燃え上がってる時までは少年の動きを追えてたみたいだが、提灯の火もなくなった今は少年の姿をきちんととらえることは出来てなかった。

 だから声がする方にとっさに向いた。その時だ。


 パシィィィン


 それはとても軽い音だった。そんなに重くもないから、ダメージが高いとは思えない。そんな音だ。でも……


「うわぁぁぁ!? 目がぁぁぁぁぁ!」


 そんな風に大人はのたうち回った。少年が手にしてたのはトゲトゲしてる葉がついた枝だった。それを思いっきり振りかぶって大人の男の顔にたたきつけんだ。

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