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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第四十六話part1

 猫二匹は夜の闇を走ってる。その後ろからいくつかの弱い光が見える。同時に聞こえる怒りの声。


「捕らえろ!」

「猫の丸焼きを花月様はお望みだ!!」


 物騒な声が猫たちの耳に届く。ピクピク――と二匹の耳が頻繁に動いてる。ガバッ――目の前に人間が出て来た。でも二匹は上手くそれをかわす。後ろだけじゃなく前からも……どうやら村人総出で猫を捕まえようとしてるらしい。

 なぜに猫にそこまで……けど二匹は賢かった。夜の闇に紛れるように、姿を消す。白猫の方が発見されやすいだろうから、黒猫の方が村人の注意を率先して引いてくれた。


 そして二匹は目指す。どこを? それは育代を助けてくれるであろう人の所だ。



 田舎の山の中の一軒家。周囲に見える家はたった四軒くらいである。そんな山の中の民家の一つの屋根に黒と白の猫は飛び乗った。そして屋根を走って窓の方に来る。そして窓を勢いよくたたき出す。


 一緒に鳴き声も出す。ガタガタガタガタ――ニャーニャーニャーニャー――そんな音と声が響く。けど……上半身裸で布団からはみ出てる子供は気づかない。ムカッ――とくる猫たち。二匹は視線を交わしてその爪を肉球から出した。


 キラーンと月の光に照らされたそれを窓ガラスに押し付ける。そして……


ギギィィィィィィィ!! ギギギィィィィィ!!


 夜中に響く、ゾワゾワとするような不快な音。それによって布団で寝込んでたその少年は飛び起きた。


「なっなんだぁ!?」


 その際、回ってた扇風機に少年は頭をぶつけた。


「イツツ……」


 頭を押さえるその少年。そんな少年に向かって二匹の猫は今度はちょっと音が出るくらいに窓を叩く。


コンコン……すると少年がようやく猫に気づいてくれた。


「ニャンコ共……」


 こんな夜になんだ? と思う少年。とりあえず窓をバシバシしてるから窓を開けてあげた。するとちょっと開けただけで猫たちはスルッと入ってきた。


「お主ら、一体……」

「ニャー」

「ニャニャニャ!」


 二匹の猫は少年の周囲を回る。それだけには飽き足らずに足を伝って少年の体に登ったりしてきた。


「ちょっ!? お主ら何を!!」


 まとわりついてくる猫は暑かった。だからなんとか振りほどこうと少年は暴れる。でもそれをあざ笑って、猫は壁に掛けてあったTシャツへと飛び移った。白猫がハンガーからそのTシャツと共に畳におちる。


「ミャミャ」


 と唸って頭だした白猫。それに向かって少年はいった。


「それは! ダメだ!!」


 手を伸ばす少年。でも再び頭をTシャツにひっこめた白猫はそのシャツ事移動して少年の手をかわした。


「おい、それはダメなんだって!!」


 少年はなぜか必死にその服を取り戻そうとしてくる。

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