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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第四十五話Part9

 ガタガタと震える幾代の反応は異常だった。ただ言葉をかけられたからにはしては彼女の体は異常に震えてる。トラウマでも呼び起こされたのか? ってくらい。


「許しませんよ幾代。貴方はきれいでなければいけない。その身も、そして心もです。悪い子ではいけません。わかりますね」

「……はい」


 震える幾代を見下して花月様は腰を下ろす。


「いたた……」


 なんかそんな声が花月様から漏れた。腰を曲げた時、ズキンとその腰に痛みが走ったのかもしれない。なにせ見た目、今は老婆みたいになってる。そしてその体はシワが刻まれ骨だけのようだ。見る人が見たら、まるでミイラが動いてる……ようにみえるだろう。そんな花月様は幾代になるだけ視線をあわせる。そしてその顎を上げさせた。


 顎を持って、ぐいっと強引に引き寄せる。そして力を込めて……「んあ」――とわずかに幾代の口があいた。そしてそんな小さな幾代の口に花月様は押し込んだ。何を? それは勿論、あの小さな瓶だ。勿論事前に瓶の口は開いてる。だから押し込んだときにはその中身の不気味な色の液体が幾代の喉へと流れ込んでいく。


(いや……また私……私じゃ……なくなっ……う)


 トロン……とした顔になっていく幾代。さっきまで合ってた目が焦点をなくしていく。そして閉じない口からよだれがたれてる。


「幾代、貴方はいい子?」

「……はい、私はいい子になります」


 そう幾代は答えた。「ミャーミャーミャー!」――二匹の猫が必死に叫んでる。でも……もうそれに幾代が反応することはない。


「全く手間をかける」


 そう言いつつ、もう一つ今度は違う色の液体が入った瓶を花月様は取り出した。それには真っ赤な液体が入ってる。そしてそれをグッと飲み干す花月さま。


「はぁぁぁぁ」


 恍惚な表情の花月様。そしてその変化はすぐにでてきた。体中から湧き上がる湯気。すると花月様の体は褐色がよくなって、みずみずしく変化していく。シワシワだった肌に張りが戻り、ミイラのようだった花月様の見た目が二十歳くらいの美少女になっていく。


「いいわ。やっぱりいい。だからいただきます」


 花月様は幾代の襟元の服を大きく割く。そしてその現れた首筋……そこに……「くああああ」――と大きく口を開けて噛みついた。


 その瞬間目を見開く幾代。でも……抵抗なんてしない。そしてその場に「じゅるるる……じゅるるるるるるるるるる」――という音が長い時間響く。

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