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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
71/822

70P

(どうにかしないと……)


 野乃野足軽は焦る。なにせこのラブレターを送ってきた奴はかなりの狂気を持ってる。いや、平賀式部に危害を加えよう……なんて気持ちは微塵も感じなかった。危険な感じはあの心象風景にはなかった。優しさってのは感じれた。でもだからこそ不気味っていうか……ある意味、それはまだ純粋に恋だけしてるからだ。


 なにせこのラブレターを送ってきた奴は異常に身体を鍛えてる。その暴力が向かわないっていえるだろうか? 絶対なんてない。彼はそのために筋肉を鍛えてるってわけじゃないだろう。けど彼の愛はとても大きい。それをサイコメトリーで野乃野足軽は感じてる。


 大きい愛、それがもしも大きい憎しみに変わったら? なにせ今のところ、どうやら平賀式部はこのラブレターの送りに主に対して全く心当たりないみたいだ。それに名前もそれこそ連絡先さえもないから、向こうも正体を明かそうとは思ってないのかもしれない。


 その内にもしも……もしもだが平賀式部が誰かと付き合って、それがこの人の耳に届いたらどうなるだろか? と野乃野足軽は思った。その時、この人は素直にそれを祝福することが出来るだろうか? それを自分自身に置き換えて野乃野足軽は考えてみる。


(いや、無理だろ)


 最初はそれこそ「なんでだよ!!」っておもうと結論づける。だって好きだったのなら、自分が選ばれなかったとしたらそうなるだろう。ただの憧れ……なら「しょうがないな」とか思えるだろう。でもサイコメトリーから感じたこの人の思い……それを思うと、危険な発想になる。


(俺なら、この筋肉だるまにも立ち向かえる……筈)


(確かにただ筋肉を鍛えてるだけでは力に対抗する術はありませんからね)


(そうだよな)


 この筋肉だるまに勝てる……本当なら近づきたくもないって思ってる野乃野足軽だ。だって服が盛り上がるほどに鍛えるって何だよ? って感じだ。この時点で普通じゃない。そして野乃野足軽は彼が何者かなんとなくこの時点て当たりをつけてた。なにせ高校生で服の上からでも筋肉がわかるってそうそうない。


 てか大体制服ってぴっちりというよりもゆったり目だ。それこそ野乃野足軽達のような一年生ならそうだろう。三年間の成長を見込んでゆったりとしたサイズで制服は作る。なのに既にピチピチとはこれいかに? だ。


 だからそんな奴が学校に居たら目立たないわけがない。だから野乃野足軽はその人物をしってた。


(でもいきなり接触するのはまずいよな? だってこの手紙には何もヒントはない)


 この状態で、いきなり差出人を尋ねるとどうやって自分にたどり着いた? とか思われるだろう。けど答えようがない。なにせサイコメトリーしました!! なんて言えるわけないからだ。言ったとしても信じるわけ無いだろうし……それにいきなり決闘なんてなってもな……と野乃野足軽は考える。


 ようはこの人が平賀式部に危害を絶対に加えなくて、こんな気持ち悪いこじらせた手紙を送らないようにすればいいんだ。だからとりあえず平賀式部にはこういう事にした。


「えっと、こっちでも誰が送ったか探ってみるよ。だからちょっと時間がほしい」


「それは勿論です。えっとそれでね……」


「うん?」


 なにやらもじもじしてる平賀式部。その仕草はとても可愛い。これで落ちない男子は居ないだろう。


「不安なのでこれからはなるべく一緒にいませんか? お昼とか……放課後とか……」


 それは……と野乃野足軽は色々なリスクを考える。なにせ平賀式部はこの学校の男子すべてが狙ってると言っても過言ではない存在だ。そんな彼女とよく一緒にいたらどうなるか? それは目立つ、そして危険がつきまとうだろう。


 それは流石に面倒……とか思うが、彼女の不安は最もだ。なにせこんな得体の知れない手紙が送られてきてるんだ。これだけカワイイんだから、これまでだって彼女には魔の手が迫ったことがあるのかもしれない。


 それを考えると、誰か頼れる存在をそばに置きたいと思うのは純粋にそうだろうって野乃野足軽は思った。でもそれが自分でいいのか……ていう葛藤があった。


「迷惑なのは分かってます。それでもどうか……お願いします。なんでも……なんでもしますから」


 その言葉にはくらっときて野乃野足軽は「はい」といった。勿論、本当になんでもするわけない。するわけない……と自分に言い聞かせつつ、その脳内では平賀式部に猫耳付きメイド服を着せていた。そして恥ずかしがりながら「にゃ……にゃぁ」と言わせる妄想してた。

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