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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第四十一話part4

「これでなんとか……」


 妥協案を小頭は出した。流石に今の心理状態で鬼男とまでゼロ距離でいる……というのは小頭には無理だったのだ。だって人生史上最大の喪失感を味わった後にまるで次の恋が始まりそうな予感……である。

 実際そうなるかはおいておいて……もう小頭の情緒はグチャグチャだ。でもだからってこの場所で距離をあける……というのも無理がある。だってここは敵の術中。その敵が何なのか? もまだわかってない。

 そんな場所に一人になんて鬼男は絶対にさせてくれないだろう。だって鬼男的には小頭は妹で、無力な女なのだ。なんの力も持ってない脆弱な存在。自分が守らないと……と強く思ってそう。

 でもゼロ距離は流石に……だった。小頭が持ちそうになかった。だからなんとか説得して、小頭は鬼男の指を二本位握って距離を開けることにしたのだ。二本位の指を摘まんでるのは、握るのに小頭的にちょうどいいのが、鬼男の二本分の指だった……というだけだ。別に他意はない。鬼男的にはとにかくすこしでも物理的な接触を残して置いたら安心するらしい。だからこれで納得してくれた。

 小頭もこれなら……ね。これなら流石に鬼男に全身包まれてる……感じもないし、ふとしたときにゼロ距離の鬼男の顔を見なくてすむ。二人の妥協点がここだっだ。


「これからどうする……の?」


 小頭的には早くこんな場所から抜け出したい。そして妖怪たちを元の世界に……門の向こうへと送りたいと思ってる。でも……


「これをやってる奴が姿を現せば早いんだがな」

「でもこういう回りくどい事をしてくるってことは姿を現す気はないんじゃない?」


 小頭は今まで読んできたマンガとかの知識に照らし合わせてそういう。だってこんな幻覚系の力を使う奴というのは直接的な戦闘は苦手な奴が使うイメージなのだ。だからきっとそうそう簡単には姿をみせないだろうって思ってる。その意見に対して鬼男もコクリと頷く。


 二人の認識は同じだ。ならば次は……


「この霧を吹き飛ばすとかはどうかな? 力開放してるんでしょ?」


 鬼男の角が通常時とは変わってる……という事はきっと今、鬼男は覚醒状態なんだと小頭はおもってる。ならば、この霧を直接的になんとかできるのでは? と思ったのだ。


「ここが本来どこだか忘れたか」

「それは……あっ……」


 そうだった。ここは移動してないのなら、おじいちゃんの家なのだ。まあなんか色々と空間的に移動してそうな感じもあるが、元の場所に影響がないともいえない。もしも鬼男の力を暴力的に使っておじいちゃんの家が吹き飛んだりしたら……それを考えたら下手に暴力に訴えることは出来ない。

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