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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第四十一話part3

「つまりはここで眠ると、自分の中の理想の夢を見れるってことだよね」

「そうだな」

「じゃあ、あんたも……みたの?」


 小頭は鬼男にむかってそんな事を聞く。だって同じように彼もここにいるのだ。鬼だからそもそも夢とか見るの? とか思うが、実際鬼も見た目が多少違って頑丈そうな以外は人間とそんな変わりない……と小頭は思ってた。だから夢くらいはみるだろう。


「その角……」


 小頭はなんか変わってしまった鬼男の角に視線を向ける。はっきり言ってそれはちょっと格好いい……とか思ってしまう。これまでは鬼の角ってそんな扱いでいいの!? ――が大きかった。だって、鬼男や鬼女は案外簡単に自身の角を折ってた。

 そこにはイメージとは違う角の扱いがあったんだ。でも……今の角はとても格好いい状態になってる。まるで物体とかじゃなくなってる感じで……エネルギー体なのか、いつもの黒い感じの角じゃなく、白く光ってるし、長くそして緩やかに頭の天辺にむけてカーブしてる。


「そんな風になるんだ」

「これが本来の姿だ」


 言葉少なく、鬼男はそういう。本来の姿。いつもの変哲もない角は仮の姿ということか? よくわかんないが、格好いいからまあいいっか……が小頭の感想だった。なにせこれまでは鬼男はそこまで鬼らしくないというか? ガタイが良い男性という印象の方がつよかった。けど今は……鬼である。それに更に言うと神秘的な鬼だ。別に肉体が変わってるわけじゃない。見た目も角以外に変化はない。いや、なんかうっすらとその肉体に模様が見える気がするけど、その程度。

 小頭は……どっちかというと小頭はオタク気質な方だ。だからサブカルチャーにだって強い。そんな小頭的には今の鬼男の姿はかなりいいと思ってる。鬼とはもっとモンスター的な鬼と人間に近い方の鬼があると小頭はおもってる。

 そして更に言うと鬼が人よりも上位に感じる神秘的な鬼も作品によってはあったりするだろう。今の鬼男はその人よりも上位に感じる雰囲気を醸し出してる。いつもの堅苦しい雰囲気に更にプラスして角が光ってるせいなのか、神秘性が上がってるのだ。


「ここにいて、私達は大丈夫なのかな……」

「それは大丈夫だ」


 そういって鬼男が小頭の腰に手を回してまた二人はゼロ距離に。


「ふぇ?」


 顔が赤くなる小頭。そして鬼男はこういうよ。


「俺が守ってやる」


 ボンッ! ――となりそうな程に顔を真っ赤にする小頭。けど鬼男は別にいつも通りの表情だ。きっと鬼男に他意はない。他意というかときめかせようとかいう意思はないんだろう。きっと手のかかる妹くらいにしか思ってない。

 でも小頭の方は、鬼男が『兄』というくくりからはみ出してきてそうだった。


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