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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第四十話part4

「小頭……好きだ」


 そんな風に言ってきたのはちゃんと人の形をしてた。兄である野々野足軽以外はいろんな動植物として登場してたはずだが、その人は野々野足軽と同じように人……だっだ。それにすごくイケメンだ。はっきり言って日本人ではない。なにプラチナブロンドの髪に瞳の色は青かった。長身だし、さわやか系の外国人イケメンなのだ。体は細く見えるが、華奢な印象はない。きっと鍛えてて引き締まってるからそう見えるだけなんだろう。肩幅とかも普通に大きい。

 小頭比――でだけど。そしてそんな超絶なイケメンに告白された小頭は赤面して、興奮してる――かと思えば、何やらとても呆けたような感じだった。まるで目の前のこの出来事が信じられないように、目を丸くしてる。周囲にいる野々野足軽やら動植物の皆さんは――


「おめでとう」

「おめでとう。うれしいよ」

「おめでとう。僕たちも好きだよ」

「皆皆君のことが大好きだあああああ!」


 ――とかいう風に祝福をくれてる。なんかどさくさに紛れて重ねるように告白してる輩もいるが、一応皆の代弁という体をとってる。それに実際、ここの皆は小頭が大好きなのは間違いない。だからこの超絶イケメン外国人が小頭へと告白したってなんら不思議ではない。その筈なんだけど……なぜに小頭は呆けてるのか。周囲の祝福も、そしてイケメンの輝く笑顔だって小頭はスルーしてる。そしてふと顔を伏せた小頭はボソッとこういった。


「そっか、これって本当じゃないんだ」


 そう顔を伏せたままつぶやいた小頭はガバッと今度は顔を上げた。そんな行動にイケメン外国人の彼は驚きはするものの目が合った瞬間、とろけるような微笑みをくれる。その顔はまさに全女性が胸をときめかせてもおかしくない程の笑顔。小頭だってちょっとクラッとくる。でも負けずに小頭もほほ笑んだ。そしてこういう。


「私も……大好き」


 それは了承の言葉。それを受け取ったイケメン外国人の彼は胸をなでおろすように肩で大きく息を吐く。そして腕を広げて小頭に近寄ってくる。


「ありがとう、君を一生愛すことを誓うよ」


 溶けてなくなりそうなほどの甘い言葉。けど次の瞬間、小頭は抱きしめようとしてきた彼の顔面に向かって頭をぶつけにいった。抱きしめようとして愛を確かめ合いたかった彼は避けることができなかった。いやその選択肢がなかったのかもしれない。だから彼の鼻に小頭の脳天が直撃したのだ。そしてそんな事をした小頭は、頭をさすりながらもさらにこういう。


「好き、私だって大好き――」


 その言葉通りなら小頭は愛を確かめる為に頭突きをしてくる頭いかれた女である。けどその先の言葉がまだあった。


「――でもだからこそ、これが現実じゃないってわかる。だって私は……選ばれなかった」


 小頭の瞳から涙がこぼれる。どうやら彼と小頭の関係は既に決着がついてる? のかもしれない。

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