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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第三十七話part6

「えっと……」


 小頭は鈍感な女ではないし、天然系でもない。だからこそ、周囲の空気を敏感に読み取って今まで平和に生きてきた。女の世界は怖いのだ。昔ほどきっと閉鎖的ではなくなってきたとは思う野々野小頭だ。それこそ小学生の時よりも中学生の方が世界は広がったと思ってるし、今の時代は学校だけが居場所じゃない。

 それこそスマホやネットがなかった時代は子供にとっては学校がコミュニティの全てだっただろう。朝起きて、学校にいって、夕方までそこで過ごすんだ。部活があればそれ以上……だからこそ、子供の生活は学校が中心になる。


 そうなると学校で孤立したりしたら、それはそれはとてもつらい毎日になるだろう。そういう事例はそれこそ数え切れない程にあっただろう。なにせ昔はそれこそネットほど簡単に情報を得たり、他者とつながったりできなかったからだ。

 あくまでも昔は学校が子供の世界のすべてだった。でも今はそうじゃない。学校にこだわる必要はなくなった。まあだからって学校にいる時間が一番長いのはかわりはない。

 ただ逃げ場所ができたって感じだ。だから学校でハブられてもどうにかなるが、幸いにもそこまでコミュニケーションに難を抱えてるわけじゃ小頭はない。でも女のグループはシビアだから、自分のグループだけじゃなく、そこで強いグループの動向とか機嫌とか、そこらは敏感に察して危険を回避しないといけない。

 そのせいで空気を読むということには長けてた。


(やっぱりこの話題はだめだったか……)


 重い空気がその小頭の考えを肯定してるようだった。そもそもが呪術師というワードがなんかヤバそうだと小頭は思ってた。それにここは田舎だ。ド田舎といってもいいと思ってる。なにせコンビニまで行くまで10分は必要だし、街まで降りるバスは一時間に一本。映画館まで映画をみにいこうと思ったら、車で3時間は必要だという。

 そんなの小頭にとってはド田舎だろう。そんなド田舎は閉鎖的なイメージがある。それに呪術師の村なんて迫害されそうな要素満点だ。実際そうなのかは小頭にはわからないが、この反応……なんか触れてはいけないことに触れた……みたいな感じがありありと感じられる。


「お前、故郷のことを話したのか?」

「子どもの好奇心ってすごいわよね。一体どうやって知ったのか……」


 なんかおばあちゃんは勝手に小頭が知ってしまった……という体で行くらしい。実際はおばあちゃんがあの村へと連れて行ったわけだが……まあでも……


(正直おばあちゃんはいう気はなかったはずだよね。最初はそんなこと一言も言ってなかったし……)


 小頭はそう思う。あの廃村に行ったときはそんなこと一言も言わなかった。まああのときあの廃村に案内したのは幾代だったというのもあるだろう。けどあの夜には確かそんな村に言った……とか言ったから、実は伝えるタイミングはおばあちゃんにはあった。

 でも言わなかったのは、言いたくなかったから? でもそれなら、なんでわざわざあの廃村に連れて行ったのか小頭にはわからない。触れてほしくないのなら、連れて行かない……知られないことが一番だろう。

 けどおばあちゃんはわざわざ足軽と小頭をあそこに連れて行ったのただ。それでバレるのは嫌ってのはおかしいだろうと思う。


「えっと、触れちゃいけないことだったかな?」


 申し訳無そうにそう言ってみる小頭。けど、おじいちゃんは再び双眸を崩していってくれる。


「いやいや、もう終わった事じゃ。そうだよな?」

「はい、そうですね」


 おばあちゃんもそう言って、おじいちゃんはあの村について教えてくれるらしい。


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