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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第三十七話part5

「えっと、おじいちゃん?」

「うん、なんだいこがしら?」


 おじいちゃんは小頭の言葉に双眸を崩してまるで精一杯の優しい顔をして聞き返してしきた。


(うわっきも……)


 とか思う野々野小頭。普段は結構厳し目の顔をしてるおじいちゃんだ。それに畑仕事をしてるだけあって日にもやけてる。まあ体はガッチリしてる……というよりもは痩せてはいるが、それでも小頭よりは全然高い背のせいで普通には見上げると顔に影がかかってるように見えて正直最初は怖い印象があった。

 でもまあ、実際にあったらこれである。お父さんの話とかを聞いてる限り、本来ならばかなり厳し目な昔気質な質みたいなのは確か。でもだからこそ? ともいうべきなのか、孫に対してはダダ甘である。

 それは女の子である小頭に対しては特に顕著だ。確かに足軽にも甘いが、小頭を前にしたらもうデレデレという表現がハマりすぎるくらいにはただの孫バカに成り下がる。

 実際その態度の違いを逆に不審がってしまうくらい。これで性格がネジ曲がった子なら、そんな孫バカの祖父をうまく使ってお小遣いとか欲しい物をねだったりするんだろう。

 でも幸いなのか、家族にはそこそこ反抗的であるものの、小頭は良い子に育ってたようだ。そんな祖父を利用しようなんて気は思ってもなかった。まあただちょーと、ちょっとだけお小遣いをねだったりするくらいだ。

 でもそのくらいは可愛いもの。おじいちゃんだってそう思ってる。


「おじいちゃんとおばあちゃんは幼馴染なんだよね? えっと……」


 チラチラと小頭はおばあちゃんをみる。過去のことを聞いてみたい……と思ったけど、おばあちゃんは恥ずかしがるかもしれない。だから聞いてもいいのかな? という意味合いを込めて視線で確認してるわけだ。

 けどどうやらおばあちゃんはまだそっぽ向いてパクパクと箸で夕飯を運ぶの夢中らしい。てか意図して気づかないようにしてるだろう。なにか話したいことがあると察したおじいちゃんは小頭に対して「ん? なんじゃ? ほれ、なーんでもじいじに聞いて良いぞ」――とかいってる。

 じいじことおじいちゃんは小頭が話しかけてくれて大層嬉しいみたいだ。もう、ほっぺが崩れ落ちそうな程といっていい。おじいちゃんは小頭にはなんでも答えてくれそう。

 おばあちゃんには悪い……と思いつつも思いきって小頭はおじいちゃんは聞いてみることにする。


(でもどういうふうに聞くのがいいのかな?)


 ちょっとだけそれを思案する小頭。そして努めて明るく、さらには子供っぽく聞いてみることにした。


「おばあちゃんの実家があったところって呪術師がいっぱいいたんでしょ? すごいね!!」


 その瞬間、和やかだった食卓が一気に冷え込んだのはいうまでもない。ガツガツと変わらずに箸をすすめてたのは足軽……いや、お母さんたちが足軽と思い込んでる鬼男だけだ。

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