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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第三十三話part4

「おああああああああああああああああああああ!!」


 鬼たちにぼっこぼこにされてた海坊主。けど奴もこのままでは終われない思ったのだろう。自身が使える最大級の技を使おうとしてる。どうしてそれがわかるのか。それは奴の力がたまってるからだ。


「まだ? ねえやばいわよ!?」


 浜の方にいる育代たちにそんな風に鬼女が現状切羽詰まってるようなことをいってくる。それを聞いても小頭には「え? え?」 という感じである。だって小頭には二人そろった鬼たちが負けるとは思えない。

 今も優勢のように見える。確かに海坊主は吠えてる。けど、それだけだ。でも、どうやら育代たちには違うように見えるらしい。小頭には全く持って見えてないが、今海坊主からはその大量の力が溢れるように出てるのだ。

 それはまさにその巨体にふさわしい程の力。だからこそ、鬼二人はもう決めた方がいいんじゃないか? と焦ってるのだ。決めた方が良いというのはフィニッシュの事である。

 なにせ予定ではこの妖怪とか、他の強力な妖怪たちを使って有象無象の妖怪たちを門まで運ぶ予定なのだ。だからこそ、フィニッシュは控えてた鬼たちである。けど向こうはそんなの考える必要はないわけで、危ないとなったら自身の最大級の技を使うのは当然だ。

 だから今、それをやろうとしてると鬼たちは判断してる。育代は流石に何かをしようとしてる……というのはわかるが、そこまで戦闘経験があるわけじゃないからそれがどれだけの覚悟をもって打とうとしてるのかをわかってる訳じゃない。


 けど流石に急がないとは――と思ってる。でも焦ってはダメだということだっで年の功で理解もしてる。だから静かにその力を展開してた。なにせ今までは自身以外に使ったことがないのだ。それを遠隔で……なんて……本当ならそれこそ直接触れた方がいいのは当然だろう。

 でも離れてはいるが、実は今育代は海坊主に触れてる状態だった。それは彼女に中に入ったコケシ達。蛇たちといってもいい。それによって、密かに育代は海坊主に触れてた。

 そして詠唱を通して自身の集中と力を高め、術を構築してる。でもそれもまだ完成ではない。


(あと少し……あと少しなの……)


 両足を開いて、まるで海を両手でつかむような格好の海坊主。それで水である海を掴めるはずはない。普通なら。けど、叫びつつ青筋を立ててる海坊主が全身を使って体を上げようとするのに合わせて、なんと海もその部分が持ちあがってるではないか。勿論鬼たちはそれをやめさせようと攻撃してる。けど、異常なタフさを見せつけて海坊主は動じない。

 それはもしかしたら海の脅威……津波を引き起こそうとしてるのかもしれない。そうなったら、沿岸部の建物は全滅してもおかしくない。死傷者だって計り知れないことになるだろう。

 これで焦るなという方が無理な話かもしれない。


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