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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第三十三話part2

「あぁぁぁぁぁぁあああああああ!!」


 頭頂部がはげ散らかしてる海坊主が巨大な拳を海へと打ち付ける。それによって海水が大きくせりあがった。それによって鬼たちは海坊主を見失う。そして次の瞬間、せりあがった水のカーテンの向こうから現れた拳によって、鬼男がふきとばされる。水面を一回跳ねて、そして砂浜に「ドゴオオオオン!」と埋まる。


「あわわ……」


 降り注ぐ砂と共に、小頭は恐恐としてた。でも……


「まだだ!」


 砂から一気に鬼男は元気に出てきた。一体あいつら、ダメージという概念があるのかよくわからない野々野小頭だ。まあそもそもがあんな巨大な存在の拳に当たったら、普通の人間なら、ダメージなんて考える前にぺしゃんこになってしまうだろう。つまりは『死』だ。それが普通だと思う。でも、鬼は想像以上に頑丈らしい。体の大きさはこの星の人間よりも一回り大きいか? くらいだが、やっぱり別の世界の存在だけあって、細胞の構成とかが違うのかもしれない。


 海坊主は十メートルくらいはあるんじゃないだろうかと思えるが、それに対して鬼たちは高く見積もって2メートルくらいである。その差はかなりある。それだけあると、相手にならなくてもおかしくないが、鬼たちの攻撃は確実に海坊主にダメージを蓄積してる。鬼男は海の水面を走りながら戦場に戻ろうとしてるが、鬼女はその間も海坊主と肉弾戦をしてるのだ。さっきまでは二対一で数的有利があった。一対一になると、正面での戦いになる。小細工はしずらいだろう。そうなると大きな海坊主がそのパワーで押しきれるんじゃないのか? とか思えるだろう。


 それにもしかしたら海坊主もそれらを狙ってたのかもしれない。二対一は厄介だったから一人を吹き飛ばしてる間にどっちかを倒す……そんプランだった可能性は高い。けど……それは既に崩れようとしてる。なにせ……


「そんなものかぁぁぁぁぁぁ!!」


 拳と拳がぶつかる。鬼女の拳の数倍の大きさの海坊主の拳とぶつかりあったら、普通は小さな法の鬼女の拳なんて通用しないんじゃないのか? と思うだろう。けど後方によろめくのは海坊主の方だった。打ち勝ってる? 数倍の大きさなのに?


「滅茶苦茶ねあの子」


 そんな風に幾代が言う。そう、鬼女も決してダメージがないわけじゃない。むしろ正面切っての一対一になった時から、その体にはダメージが刻まれてる。それでも……鬼女は笑ってるのだ。どれだけボロボロにされようが、鬼女は笑って戦ってる。だからまるで全然大丈夫なように幾代にも小頭にも見えてるのだ。けど決して全然大丈夫……なんて事はないだろう。


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