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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第三十三話part1

「うーわ」


 思わずそんな声を出してしまう野々野小頭。ここは砂浜だ。すぐ近くに学校が見える。夏休みの校庭には元気な声を響かせる部活の少年少女たちが……いない。どうやらお盆の時期だから部活も休みみたいだ。でもありがたい。だってもしも誰かがいたら……


 ドバーン!! ズオオオオオン!! ガガーン!!


 と派手な音がなってるからだ。実際近くに住んでる人たちが「なんだなんだ?」と近くにきてもおかしくないが、聞こえてない? そこらへんは確かめてもないし、その術もないから、小頭にはわからない。ただ一番近くの学校からは誰も出てくる……なんて事はない。山の方だったら、そもそもが家がなかったから、近くにいる人もいなかっただろうけど、ここは町とは呼べる規模はある。だから誰か来てもおかしくないが……


「なんて野蛮な……」


 そんな風に言うのは幾代だ。今、鬼たちは海にいた海坊主と戦ってる。なんでそんな事をしてるのかというと、勿論だけど必要だからだ。本当ならさっさとあの山の門の所にいって門を閉じたいところだ。けど既にこの町には沢山の魑魅魍魎達が拡散してしまってる。それらを一体一体確保する……なんて事はできない。けど残しておくなんてできるわけないだろう。あの魑魅魍魎達が何をするのかなんてわからないのだ。一体どうしたらいいのか……それを話し合った結果、幾代の呪術師としての知識を使うことにしたのだ。

 なにせ幾代はあのコケシというか蛇になった何かを取り込んだ。それによって、呪術師としての力が増してるらしい。そして同時に、あの蛇に内包されてた知識も手に入れた……と言ってた。それってつまり……


(あのコケシか蛇みたいな存在はあの村の……)


 そんな風に小頭は思った。幾代は明言してない。けど、そうとしか思えないだろう。だってなんの関係もない妖怪の類だったら、そんな知識があるはずがない。けど幾代は詳しい事はいってくれなかった。ただ困ってた小頭達に自身の知識を使えば……といってきたのだ。なので鬼たちと幾代は話し合って、どうやらこの状態を戻す術を編み出したみたい。小頭はなんの力もないから、ただ幾代たちに付き合ってるだけである。そしてこうやって鬼たちが海坊主と戦ってるのは、強力な妖怪を道しるべにするためだ。

 弱い妖怪たちを一体一体確保するよりも、強力な妖怪を使って、弱い妖怪たちに命令を下してこの町に広がってしまってる妖怪たちを地獄の門へともう一回集めるつもりなんだ。なのでまずはこの海坊主。なにせわかりやすく見つけやすかったから、最初の標的になったというわけだ。

 哀れ……

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