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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第三十二話Part3

 鬼たちはアホみたいに強い。それを小頭も、そしておばあちゃんである育代も再確認した。いや、小頭は再確認だけど、おばあちゃんはそれを初めて目の当たりにした。


 そして冷や汗を流す。きっと危機感を持ったんだろう。だってさっきは鬼たちから小頭を守ろうとしてたわけだけど、育代の力は若返り……だ。その力は自身の中で完結してて、それを外に発露する……という事をしたことはない。それこそ、足軽がしてたような、対象を縛ったり、空を飛んだり……である。


 確かに育代には「超能力」がある。けど、その力の種類は千差万別。どう考えても育代は自分の力が戦闘向きじゃないとわかってる。つまりは……育代には小頭を守るような力があるわけじゃない。それが今の鬼たちの強さを見てわかってしまった。


 ごくり……おもわずそんな生唾を育代は飲み込んだ。そして心でおもった。


(なによあれえええええええええええええ!?)


 ――とね。なにせ村を包み込むように鎮座してた巨大な妖怪みたいなやつ……それを二人の鬼は一撃で倒したのだ。いや、二人で一撃ずつうったから、二撃なのか? とりあえず腹に大きな風穴をあけられたブヨブヨはそのまま形を保てなくなってドロドロになって周囲に拡散していった。


「あれで終わりなんだ……」


 ちょっと拍子抜けな小頭である。だってあれだけぶよぶよだったのだ。今までのサブカルの知識ではああいう敵には物理的な攻撃は通用しづらいもので、穴もすぐにふさがって――効いてない!? ――とかいう展開が来るものだと、小頭は思ってたんだ。けど……素直にどうやら倒されたみたいだ。楽ではある。でもなんか拍子抜けみたいな? 

 とりあえず鬼たちに続いて、小頭もチャリを村へと向ける。そして以前は村に入る前に自転車から降りてたけど、村の中心付近にそのまま乗り付けた。


「うっ……」

「おばあちゃん?」

「大丈夫よ小頭ちゃん」


 何やらこの地に降りた瞬間、育代がふらついた。なので心配する小頭。すると鼻をクンクンとする鬼男と、鼻をつまむようにしてる鬼女がこんな事をいってくる。


「ここは……」」

「にゅおうね」


 うん? 匂い? さっきのでっかい奴の匂いだろうか? と小頭は思った。けど小頭には何も匂わない。けど鬼たちは五感も普通の人間よりも優れてそうだ。そのせいかも? そんな風に思ってると、何やら二人ともいきなり背中を向けてくる。そして鬼男と鬼女で小頭と育代を包むように位置を変えた。


「え? なに? あっ」


 小頭の目にはあるものが映った。それは黒いこけしのような……以前村にきたときも出て来たあの黒いこけしのような影たちが再び現れてた。


 


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