表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
628/821

第三十二話part2

「なにあれ?」


 小頭はギコギコとちゃりを漕ぎながらそういった。廃村が見えて来た段階で鬼たち二人はなんか厳しい顔をしてたけど、廃村に近づくと小頭とおばあちゃん……育代にもそれが認識できたみたいだ。


「魔が育ってるな」

「どうやらあそこには魔が好む怨嗟があるみたい」


 そんな事を鬼たちはいってる。小頭は後ろで二人乗りしてる育代をみる。


「あの村は、呪われるからね」

「そんな場所に私達を連れて行ったの?」


 それはどうなの? と思った野々野小頭だ。だってわざわざ呪われてる場所に連れていく? そんなのはテンションがぶちあがってる若い連中がやることだよね? 肝試しとか、小頭くらいの男子たちも好きそうな遊びだ。

 中学、高校、大学生とかさ。けど育代の中身はおばあちゃんだったわけで、もうそんなのはとっくに卒業してるはず。それにおばあちゃんにとっては小頭も足軽もかわいい孫だ。

 そんなかわいい孫を危険な場所に? おばあちゃんにしてはおかしなことだと小頭は思った。


「そうね……浅はかだったわ。ちょっと取っておきたい物があったの。あの時は見つけれなかったけどね。それに私にとっては呪いって危険なものじゃなかったし」


 そういうおばあちゃん。いや今は育代……か。育代はあの場所で育って、きっと呪いと近い位置で接してきたんだろう。だから呪いを今の人達と同じようには受け取ってないのかもしれない。

 呪いは小頭たちには邪のようなイメージが言葉的に強いが、育代にとってはそうじゃないんだろう。


 ごふぅぅぅぅぅぅぅ――


「それよりもあれ……どうするの?」


 小頭はそれを指さす。なにせ村には大きな……まるで鏡モチを何弾も重ねたような腹をした不気味なやつが、まるで温泉につかる様に、のぼせるような顔をして村に居座ってるんだ。なかなかに大きいそいつは村を包むようにそこに居座ってる。

 そして周囲の木をベキポキとつかんで折っては、口までもっていって、ぼりぼりと食ってた。

 どうみてもやばい奴じゃん……と小頭は思ったよ。けど、そんな小頭の思いとは裏腹に、鬼たちは動揺なんてしてない。


「任せて」


 そんな鬼女の言葉と共に、二人は並走してた小頭たちをおいて、一気に突き進んだ。そして更に勢いをまして、二人して、村に居座ってるそのブヨンブヨンのお腹の化け物に文字通り風穴をあけてしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ