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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第三十話part2

 足軽はすぐに力を使って四体の猿の力を上回ることができた。それは目論見通りだ。これまで訓練を続けてきて、よかったと思った。


(これであとは、力を落ち着かせれば……)


 そんな風に思った矢先だ。野々野足軽の頭に響く音があった。それはまるで除夜の鐘のように「ゴーン・ゴーン」と鳴ってる。それが何なのか足軽にもわからない。


「足軽? どうしたの?」


 おばあちゃんが足軽の背中にそんな声をかける。けど、それに反応できない。でもおかげで足軽は「はっ」としてすで動き出してた。ただおばあちゃんに返す声を掛ける暇がなかっただけだ。

 何も動いてない用に見えるが、足軽は力を操ってるのだ。


(これは……なんだ? 形が……それに……流れてる?)


 足軽は異変を如実に感じてた。力の流れ……そして4つの猿の力の行方。その組まれた様。それを今や掌握してる足軽は感じれる。でも、理解はできない。そういう知識はないから。でも感覚で有ることはわかる。


(何かが、来る!?)


 その瞬間だった。黒い入道雲みたいになってた暗雲。夜空だからはっきりとは視認できないが、その雲から何かが落ちてくる。


「危ない!」


 足軽は慌てておばあちゃんを抱えて飛んだ。足軽たちが居た所にズドオオオオオオオオオン!! ――と大きな音と山全体……いやこの地域を震わせるようにして「それ」は落ちた。山にめり込むように斜めに刺さったそれ……


「なに? 扉?」


 そんな風に足軽に抱えられたおばあちゃんが言う。足軽はあの場から離れるために背を向けてたが、おばあちゃんは足軽の肩口から背後を見れたんだ。それで足軽よりも先に、それを確認できた。


「大きな扉が落ちて来たわ足軽。あの子達は……」

「きっとあのサルたちは形を保てなくなっただけと思う。けどきっとその扉と結びついてる」


 それを足軽は感じることができる。


「あれを呼び出したのはあの子達なの? あれは一体……」


 巨大な扉……あれが何なのか足軽もおばあちゃんだってわからない。


「いえ、待ってあれ……」

「なにかわかるの?」

「うん、なにかあの扉のようなの見たこと有るような……」


 何やらおばあちゃんは心当たりがありそうだ。けどどこで見たかまでは思い出せてない。とりあえずこれ以上距離を取ることはやめた。いつの間にか暗雲はきえて……いや、空はとても澄んでる。雲一つない。月明かりが眩しいほどになってた。さっきまでとはまるで別だ。さっきまでの暗雲が晴れた影響だろうか? 


 すると落ちて刺さって斜めになってるでかい扉から――「ドクン・ドクン」――という心音みたいなのが響き出す。

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