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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第三十話Part1

「あの夜……」


 そんな風におばあちゃんが紡ぐ。あの夜の事。


「足軽!!」

「えっと……なんで――」


 足軽はおばあちゃんがかばってたサルたちの一匹、一番近くの奴に触れた。触れる瞬間、ビクッとサルがなった。その様子にちょっと戸惑った野々野足軽だが、どうやらサルは逃げるとかはしなかった。だから意を決してサルに触れた。そして目を閉じてサルを探る。足軽が感じれない力。それをサルたちは持ってると考えてた。なにせおばあちゃんが言ってる力の規模と足軽が感じてる力には乖離がある。だから触れて物理的に探って感じることにしてみたんだ。


 そして触れて色々な角度で力を探ることで、足軽は新たな力を感じることが出来るようになった。でもその時だった。わずかに足軽が触れた。それは物理的にサル……に触れたわけじゃない。いや触れてるが、もっと奥。物理じゃなく、力……そう力で、サルの内部の力に触れた。それがきっときっかけだった。


「あがああああああああああ!!」

「ががががあああああああああああ!!」

「ぎゃあああああああああああああああああ!?」

「むぎゃあああああああああああああああああ!?」


 足軽は一体にしか触れてない。けど、そんな絶叫を同時に四体のサルが起こした。流石に足軽も焦った。だって別に特別なことはしてない。ただちょっと力に触れただけ。なのに……


「なんだ……これ?」


 足軽はなんとか引っ張ってた。それは自分の力を……だ。サル達からあふれる力が夜空へと延びて暗雲を作ってる。そしてそれに野々野足軽の力も加えられてる。足軽だって引きはがそうとしてる。けど……まるで絡み合ったかのように、無理矢理力が使われてる感覚。


「どうしたの足軽? やめて! その子たちは!!」


 足軽だってやめたい。おばあちゃんの言葉に応えてあげたいと思ってる。けど……力をほどくことが出来ない。勝手に自分の力を使われる感覚。それは不愉快で不快で仕方ない。


(剥がすのは無理か……どうしてかわかんないけど……なら!)


 足軽はこのままじゃまずいと思った。暗雲は雷を伴ってゴロゴロとなりだしてる。それに見たこともないような厚み……何が起きようとしてるかわからないが、何かが起きようとしてるという事は繋がってるからかわかる。それをさせちゃだめだ――と思ったのだ。でも引き剥がれない。ならば……


「内側から壊す! おばあちゃんは離れてて!!」


 そういって足軽は逆に力を注ぎこむことにした。これしかない。今は八割がたあのサルたちの力だから、主導権はサルたちにある。けど、サルたちの力の総量よりも、足軽の力の総量が大きい。ならば、奪えるはずだと思った。そうなったら、落ち着かせることだって出来るだろうという目論見だ。

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