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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第二十九話Part4

「ごめんなさい小頭ちゃん。本当はちょっとしたいたずらの気持ちだったの。若く成れるようになったし、二人ともっと仲良くなれるかな? って……本当にそれだけだったの」


 そういう育代であったおばあちゃん。それが嘘だとは小頭は思えない。きっとおばあちゃんのその言葉は真実だろう。そう思う事にする。


「じゃあ……なんでこんな事に?」

「私は……私の生まれた村にはね……ご神体があったの」

「え?」

「廃村に行ったでしょ? あそこがそうなの」

「ああ、でもご神体? そんなのあったの?」


 小頭は思い出した。確かに廃村を体験した。そこで確か幽霊たちに……記憶を奥に追いやってたのに、流石に思い出した小頭だ。二度と思い出したくもなかったがそれでも勝手にでてきた。


「ご神体はもう実をつけてるの」

「実を着ける?」

「あそこには色々とあったの。だからあんなことにあの時なった。あれは名残のようなものだけどね」


 そういって育代事おばあちゃんはポケットから何かを取りだした。それは細長い石? 何か書いてある? けどそれは蛇のようなむにゃむにゃとしててなんて読むのか、そもそも文字なのか小頭にはよくわからない。

 それをおばあちゃんは取り出した。


「それは?」

「あそこで作られた呪物の一つ……」

「呪物……」


 そのワードは小頭には縁遠いものだった。そんなの持ってておばあちゃんは大丈夫なのか? と心配になる。


「大丈夫よ。私もいっぱしの呪術師だからね」

「呪術師? 何級なの?」


 最近流行ってたそういうマンガが脳裏をよぎった小頭だった。それに対しておばあちゃんはちょっと笑ってくれた。「ふふふ」――とね。さっきまで辛そうだったから自身のバカな発言もちょっとは役に立ったんだと小頭はおもった。


「何級とかはないわ。私は最後まで認められなかったから」


 おばあちゃんの家の方は謎だった。聞いたこともない小頭だ。地元が一緒だとは聞いてたから、おじいちゃんとは子供のころからの知り合いだったんだろう……という推測しかなかった。

 けどそんな単純ではないのかもしれない……と小頭は今の話を聞いて思った。だって廃村に、呪術師である。それに呪物……どれもこれも物騒なワードだ。

 廃村だって山奥にあった。どういう扱いだったのか、情報を大量に得られる現代っ子の小頭にはおばあちゃんの村がどういう所だったのか、想像くらいはできる。


「今はね。その中でも一番厄介なのが、動き出しててね。それを足軽がかかわってしまってたの」

「そんな……お兄ちゃんは無事なの」


 まさかそんな事になってたなんて……この世界の裏側? に野々野足軽は片足を突っ込んでたみたいだ。そんなことを言われたら、妹である小頭は心配せずにいられない。


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