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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第二十四話Part3

「きゃあああああああああああああああああああああああ!!」


 ドタバタと階段を下りていく小頭。すると階段の下の方からひょこっと母親が顔を出してくる。


「ど、どうしたの小頭?」

「お母さん! お兄ちゃんが!! お兄ちゃんが鬼に! ううん、鬼がお兄ちゃんを!?」

「落ち着きなさい。一体どうしたっていうのよ?」


 急ぎすぎて小頭のいう事はよくわからないことになってた。お母さんはなんとか落ち着かせようと頭をよしよししてくる。けどそんなのでごまかされる歳では既にない。


「こんな事やってる場合じゃないよ! とにかくお兄ちゃんが大変なんだよ!!」

「足軽が? もう、どうしたっていうのよ? 足軽~どうしたの~」

「ちょっとおおおおおおおおおおおおおおお!?」


 お母さんはなんと二階に向かって声を張り上げた。抗議の声を小頭は上げたが、そんなのお母さんは気にしない。それはそうだろう。だってお母さんは足軽が鬼の見た目になってるなんてわかってない。きっと小頭が寝ぼけて変な事を言ってるんだろう……くらいにしか思ってない。だから二階に声を届けてしまった。


「おーい足軽~。起きてるの~?」

「それ以上はだめ――」


 その時、ヌッという感じで足軽が……いや違う。二本の角をもってる鬼が顔をのぞかせた。その瞬間、小頭はお母さんの後ろに隠れた。そして「ほら、あれだよ! あれ!」と小声なのにきついみたいな器用な声を小頭は出してる。けどお母さんに慌てる素振りはない。


「足軽もちゃんと起きてるようね。ほら二人とも顔でも洗いなさい。頭シャキッとさせなさい」

「え?」


 驚愕の小頭。そして鬼はというと、お母さんにそういわれたらコクリとうなづいた。それにさらに「え?」――である。のっそのっそと階段を下りてくる鬼。そのたびに古びた木製の階段はギシギシといってる。大丈夫なのか心配だ。けどなにか言える訳もなく、小頭は鬼が一階に降りてくる間に、母親の背後から、さらに遠くの扉まで後退する。そしてそこからぴょこっと顔をだす。そんな小頭に鬼が視線を向ける。急いで顔を引っ込める小頭。


「なんかあんたの事鬼とか言ってるのよ? どうしたのかしらね。まああんたたちはこのくらいがいつも通りって感じだけどね」


 お母さんはそんな事をいって何も気にしてないようだ。またキッチンの方にむかっていった。鬼は別に小頭の行動を気にしてないように、小頭の方にくる。キッチンを通って増設されたトイレの方にきてる。いや、きっとそこにある洗面台に用があるんだろう。小頭はキッチンの扉の傍から玄関をとおって、玄関横の部屋に入る。その襖から、鬼が洗面台に行くのを見送った。


「ど、どういう事?  どういうことなの?」


 小頭はとても混乱してる。キュ――ジャー――バシャバシャ――そんな音が聞こえてた。

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