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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第二十三話Part4

「最初は声が聞こえたわ。どこかから聞こえる声」


 そんな風におばあちゃんは言う。けどそれを馬鹿にする気は足軽にはない。だって、力があるのならそういう事もありえるだろう。野々野足軽にだって時々どこかからか聞こえる声というのはあるのだ。でもおばあちゃんの場合、そこには因縁というか、縁というか……そんなのがあったみたいだ。


「実はね。子供のころもこの声は聞こえてたのよね。いつの間にかその声は聞こえなくなったけど、私が若返ってるとき、その声はまた聞こえてきたの」


 なんと……このサルは子供に向かって声を届けてた……という事なんだろうか? それだとやっぱりかなり悪質では? と野々野足軽は思ってきた。だって……だよ? このサルの元は呪物らしいのだ。それもいくつもの人、そしていくつもの村を滅ぼしてきたような凶悪な呪物だ。それ自体は別に望んでそうなったわけじゃないと、おばあちゃんの話で足軽だってわかってる。けど今の発言だとこの呪物は子供を狙ってたらしい。それは悪質だとおもうのだ。

 ただ感性とかが子供の方か鋭いから呪物も共鳴できるとわかってたりするのかも。やっぱり拾われたりしたのは子供が多かったのかもしれない。


「怪しいとか思わなかったの?」

「若返ることが出来るのよ? かつてわからなかった友達を救いたいって思うじゃない。声が聞こえるなんて若返ることに比べたら……ね」


 そういわれると足軽も「確かに」――と思える。だって若返えってるんだよ? いやおばあちゃんの若返りは「変化」の方が今のところは近いじゃないか? と思ってる足軽だが、そこら変はおばあちゃんは気にしてない。だから単純に若返る力とただどこからか聞こえる声……それを比べたら確かに声なんてそんなに恐怖を感じるようなことはないかもしれない。しかもおばあちゃんは昔にこの声を聴いてたのだ。ならば今なら応えることが出来るかもしれないと思うのも仕方ないと足軽も思う。


「それでおばあちゃんはこいつらの元だった呪物を見つけたの?」

「違うわ。この子たちは既に解放されてたもの。変な生物の目撃情報はちらほらあったのよね。でもその形は固定されてなかったわ。私が見つけたときはなんだかゼリーみたいだったわね」

「ゼリー……」


 モワモワと想像する足軽。その姿は棒国民的ゲームのスライムのようなそんな姿が思い浮かんだ。


「ゼリーみたいなのをこの姿にしたの?」


 もっと何かあったんじゃないか? と思わなくもない足軽だ。なぜにサル? もっと可愛らしい生き物なら、森の奥深くに住まなくても……と一瞬思った野々野足軽だが――


「そうだったこいつら呪物なのか……」


 それを踏まえると、下手に可愛らしい見た目にして人とかかわるとか、人間社会にいるというのはある意味で危険かもしれない。物理的に見た人が逃げていくような見た目なら、このサルたちの力……というかこの場合は「呪い」だろうか? それが発揮されることはないから合理的なのかもしれない。でもそれはおばあちゃんがそこまで考えてやったのか、それともこいつらが自身が望んだのか……それでさらに印象のプラマイが上下することになりそうだと足軽は思う。

 でも……おばあちゃんもサルたちもそんなことを考えるかな? と疑問を持つ足軽でもあった。

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