表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
567/822

第二十話part1

「はっはっはっ!!」


 森の中を走る影がある。彼女はなぜか薄汚れた長靴を履いて、その体には大事な所に手ぬぐいみたいなのをまいてるだけだ。そんな彼女は森を走る。時折聞こえる大きな音。そして直後吹き荒れる風に体を飛ばされそうになったりする。

 けどそのたびに近くの木にしがみついてなんとか耐えてた。そして風が落ち着いてきたら、また走る。


(もっと早く……お願い、早く走れる体になって)


 その思いが力を動かしてるのか、彼女の体は変化をしてた。どんどんと成長して、女性にしてはかなりの大柄にまでなってる。けどそれにはどうやら彼女は気づいてないようだ。走ることに夢中で。そして時々彼女は空を見てた。木々の隙間から現れるその影。それが目的だ。


(やめて! お願い! あの子たちは!)

「きゃ!?」


 足が何かにひっかかった。そのせいで彼女は大きく態勢を崩して森を転がる。森に入るには絶対に適してない姿をしてた彼女だ。その全身はかなりの傷を負ってしまった。けど……その傷は見るからにどんどんとふさがっていく。


 そして彼女は怪我には目もくれずめいっぱい空に向かって叫んだ。


「やめてええええええええええええ!!」


 今まで一番……いや、そもそもが人間が出せる音量じゃなかったかもしれない。だって思わず空中にいた存在はかなり離れてたのにその耳を抑えてる。彼女の力が肺を強化して、声帯を拡張したのかもしれない。

 だからこそ出せた大声。それによって空にサルたちを縫い付けてた野々野足軽はその存在を気づいた。いや実際は気づいてないわけはなかっただろう。

 けど、気づかないふりをして、終わらせたかった。けどそれはどうやら届かない願いだったようだ。


(幾代……いやおばあちゃ――え? 誰?)


 足軽はこちらを見てる女を確認した。そしてその存在が幾代だとおばあちゃんだと思ってた。いや、そのはずだ。なにせ足軽は力の本質を感じれる。それはその彼女をおばあちゃんだと……幾代だといってる。

 でも足軽が見える女性はおばあちゃんでも幾代でもないように見えたんだ。軽く足軽は混乱してしまう。


(あれ? これって、え? どういう事だ? けどとりあえず今は……)


  なんとなく足軽は力を使って自身の顔の周りに靄を出した。顔が見えなくなるような靄だ。それで身バレをとりあえず防ごうと思った。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ