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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第十九話part5

「別に大人しくしてくれたらそれでいいんだ。ただ静かに森の奥深くで暮らしてくれないか? それとも人間に恨みでもあるのか?」


 気絶してない残りのサルに、そんなことを問うてみる。実際このサルたちが人語をわかってるのかなんてわかんないが……このでっかいサルを殺すのは野々野足軽には抵抗があった。

 このサルたちがヒトを既に何人も殺してる……とか事件を起こしてる……なら息の根を止めるのも抵抗が少なくなるだろう。でもいくら化け物……だからとていっても問答無用で殺すなんて足軽にはできなかった。 

 だからこうやって交渉……というか脅しをしてる。別に彼らが森の奥で静かに暮らすのなら……人に見つからずに静かに暮らしてくれるのなら、何もしなくていいという……そんな足軽の願望だ。

 そもそもなんでこのサルたちが襲ってくるのかとかわかってない。それにどうやらこのサルたちは他の人を襲ってる様子はないのだ。もしも……だ。もしもこのサルたちが人肉を求めて足軽たちを襲ってるとかしたら、今の今までで誰も犠牲になってない……なんてのはおかしい。


 だってこれだけ成長してるのだ。足軽たちの訪問に合わせてこいつらが生えて来た……というわけじゃないだろう。ならば、こいつらだって食事とかしてるはずで……それが肉とかなら、他の人が襲われててもおかしくない。

 けど足軽がこのサルを認識してからは、警戒してたからこいつらが動いたら見過ごすはずはない。確かになぜかこのサルはとても認識しずらい。足軽の探知に引っかからないのだ。


 でも山からおりて人を襲うとかするのなら、流石にわかる。その自信は足軽にはある。でも流石にそれはやってない。それは確実だ。だからこそ、なぜに足軽たちには執着するのか……それがわからない。


「あがぁ!! がああああああ!!」


 口だけを動かして牙を向けるサル。ここでさらに向かってこようとしてるのは一匹だけだ。大体サイズはそんなに違わないが、一番大きな個体といっていいだろう。そいつ以外はもう怯えてる。

 でもこいつは……まだ敵意を見せてる。


バキっ……


 僅かにそんな感覚が足軽にはつたわった。押さえつけてるサイコキネシスに綻びがでた? いや違う。そんなわけはない。だって足軽の力はきっと誰よりも強い。だからこそこの音は……


「あが! がっ……がっ! がああああ!!」


 ベキッポキッ――とか聞こえてくる。それはそう……サイコキネシスの綻びじゃなくサルがその体を顧みずに動こうとしてるんだ。


「え? おい……ちょっと……」


 野々野足軽はサルのその行動にちょっと引いてた。

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