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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第十八話part3

「ふう……」


 広いお風呂でのびのびと脚を伸ばしてる足軽。田舎の方の家の浴室というのはどこもこんなものなんだろうか? とか考えるが、きっと違うだろう。

 おじいちゃんの家は見た目的には別に普通の田舎の一軒家だ。都会の家よりも部屋数も多いし、納屋や蔵とかまであるが、そこまで際立って大きいという感じじゃない。周りには数軒しか家がないけど、簡単に見るかぎり、そこまでおじいちゃんの家は突出してる感じはない。

 でも流石にこの風呂は豪華だと思ってる。最新式……というわけじゃないが、檜風呂というのだろうか? そういう木で浴槽が作られてるのだ。

 それに前にも横にも広い。お風呂代とか大丈夫なのだろうか? とか思う位だ。まるで良い旅館の部屋についてる個室風呂くらいは豪華だと思ってる。いや、足軽はそんなところに行ったことはない。

 けどイメージだ。この風呂に入ってるととても高級な旅館にいるかのように思うのだ。


「それにしても……」


 天井を見つめる足軽。これだけ雰囲気が良いのに、天井には黒カビが蔓延してる……なんてのはない。いや、そもそもわかりづらくなってるのかもしれないが、この浴室部分だけは上の方は斜めになってて、いくつかの窓がある。そこから夜の空がみえてる。


 そんな夜空を観つつ、疑似露天風呂体験まで出来るこの風呂で足軽はおばあちゃんの事を考える。


「同一人物なのは間違いない。けど……なんで?」


 いや、そもそも打ち明けたとしても信じてもらえるかなんてわからないし、下手な事をいっておかしな人と思われるくらいなら、最初から偶然会った他人として接した方が簡単だったのかもしれない。

 それにおばあちゃんはただ自分に起きた変化……その力で若返るという事を単純に楽しんでるだけで、別になにか目的がある――とかはないような気がしてる。


 野々野足軽だって力が発現したら、それを試さずにはいられなかった。ある意味でおばあちゃんの力はわかりやすい。自身を若返らせる――というものだ。

 なら若者として過ごしてみたくなったりするのも当然だろう。もしかしたら孫たちと同目線で遊びたかったのかもしれない。


「それなら、別に何もしなくてもいいか……」


 その事実をどうするのか……どう打ち明けるのか悩んでもいた足軽はだけど、別にそんな事をする必要があるか? と自問自答した結果、別になにも知らない――でもいいんではないか? と結論を出した。

 ただ一夏の思い出をおばあちゃんは演出してるだけなのかもしれない。それなら、野暮な突っ込みなんてしない方がいいだろう。別に他人に害をなすような力でもないんだ。それなら下手に藪をつつく必要はないと足軽は考えた。


「よし! 一夏の甘酸っぱい夏を演出するか」


 こっちの思い出にもだけど、おばあちゃんにも青春という思い出を上げようと足軽は思ってた。それが孫というはどうだと思うけど……

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