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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第十七話part5

「興味あるの?」

「それは……まあ……そういう力があるのなら、使ってみたくなるのが男子っていうか?」


 あいまいにそんな風にいってみる野々野足軽。そんな風に興味がある……とか言っておけば、もしかしたら向こうから告白してくれるかもしれない。

 そんな思いがあった。


「そっか……まあ男の子だもんね。けどね……超能力っていい事ばかりじゃないよ」


 キタ――と足軽は思った。まるで何か思い当たることがあるような……そんな言い方。実際今の育代の発言には共感しかない足軽だが、でも後悔なんてない。

 それは絶対だ。そもそもいきなり目覚めた足軽だが、目覚めなかったら――なんて一度だって思ったことはなかった。確かに最近は大変だ。眠る間も惜しんで覚醒しそうな能力者のフォローをしてる。けどそれが出来るだけ足軽は先にいる……という事でもある。

 ではこの育代は一体どのくらい進んでるのだろうか? 実際覚醒する人達が出てきてまだ一か月も経ってない。だからそんなに力を使いこなせてるとはおもえない足軽だが……


「それってどういう……まるで超能力を持ってるみたいな言い方だね」

「えぇ!? えっと……それは、ほらニュースで物騒な事起きてるんじゃん。なんか現実と映画とかの境目が無くなってる感じ?」


 あからさまな反応をしてる育代。これでなんとか誤魔化せるとおもってるのだろうか? でも実際足軽は決め打ちで質問してるから苦しい……と思うが、そもそもが最初からこいつは超能力に目覚めてる! と確信できる人類なんてのは他にいないわけで……それを前提としないのであれば、十分にこの育代の発言でもごまかせるかもしれない。


(やっぱりこっちから切り出すしかない……か)


 やっぱり特殊な力に目覚めたというのは言いにくい事だろう。そう簡単に口に出せるものじゃない。足軽だってもしも力の事を話す……となるとドキドキする。不安になる。


 なにせ見る目が変わるかもしれないんだから。親しかった人たちが、もしも化け物を見るような目をしてきたら? どんな鋭い刃が突き刺さるのか……それはまだ想像しかできないが、きっととても痛いんだろう事は足軽にもわかる。

 だからきっと育代だって怖い。簡単に口に出せることじゃない。


ザザーン――という音を聞きつつ、夏の雲を見ながら足軽は意を決する。


「実は……さ。俺って超能力者なんだよね」


 そんな風にごく自然に足軽は告白する。

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