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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第十七話part2

「てやあああ!」

「やったなぁ!!」

「あははは」

「まてよー!」


 そんな青春の一ページを刻み込んでたわけの野々野足軽。浜辺でキラキラとしてる育代。スラっと細長い手足にしっかりとしたふくらみのある胸。不満はスクール水着しかない野々野足軽だ。

 首筋とかもエロいと思ってた。でも実はそんな風に青春をやってた中で気になることもできてた。サルではない。あれは既に常に気を付けてる。なのでサル以外の事。

 それは育代だ。サルを気にして周囲に力を広げてる足軽なわけだが……それによると育代にも力を感じるのだ。普通の人……比べるのが容易な小頭がいるが……そんな小頭と比べると、育代は明らかに『普通』ではないとわかる。

 育代の全身には力がみなぎってるのだ。それは明らかに小頭とは違う。どっちかというと足軽に近い。その力の安定具合からも、暴走してる風にはみえない。 

 もしかしたらかなりその力を使いこなしてる可能性がある。でも……だ。


(流石にこっちから切り出すわけにもいかないからな……)


 そうなのだ。それを足軽から指摘することは出来ない。だってそんな事になったら、足軽がなぜそれに気が付いたのか……それを話すことになる。実際育代とはこの夏の、あと数日の付き合いでしかないだろう。ならば別に……と思わなくもない。

 それに育代が良い子なのはこの数日でわかってる。きっとその力を悪用なんてしないだろうと思ってた。せめて全て話すんじゃなく、一応他人へと話すときに決めてる設定の部分だけなら……と思ってる。

 それはまだ目覚めたばかりのサイコキネシスだけを弱く使える……という設定だ。でも今世間では力を目覚めた者同士は通じ合う……みたいな噂がネットを中心にまことしやかにささやかされてる。だからそれを使えば違和感なく育代から力の事を聞けるかもしれない。


「ふう……楽しいね」


 海から上がった育代が隣に腰かけてそのまま砂に大の字に倒れる。ちょっと向こうでは波際で小頭が何かを書いては波にさらわれる……という意味が分からない遊びをしてる。


 ちょうどよく二人きり。この距離なら小頭には二人の言葉は聞こえないだろう。今しかない、と足軽は思った。


「ああ、こんなに海で遊んだことなんて初めてだよ」

「そうなんだ。海なんていつでもこれるけどね」

「都会じゃそうもいかないよ。海開きしても、人でいっぱいだしさ」


 そうこんなに独占的に海を使えるなんてない。このビーチには足軽たちの他にはほぼ人はいないのだ。育代が穴場とか言ってたから、実際遊泳場所なのかも怪しくはあった。

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― 新着の感想 ―
ここも「幾代」ではなく「育代」になってます。
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