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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第十三話Part4

 二人の足が止まってる。足軽もここでいきなり力を使ってこの一面の手の海を掃討するのは流石におかしいだろうという事でどうしようか迷ってた。だって小頭には自身に超能力が目覚めたとか言ってないのだ。仕方なかったから、平賀式部にはそういうこと――にしたが、下手に自身に超能力が目覚めたなんてのは喧伝しないほうが身のためだ。


 まあ普通は誰か知人にいうよりも家族にばれる方が早いだろうが、野々野足軽の場合は言う気はなかった。足軽は平賀式部にも一応口止めはしてる。家族と平賀式部には今の所接点はない。だからまだバレることはないだろうと思ってる。でもそれもいつまで持つかはわからない。なにせ平賀式部は彼女だ。そのうち家に招く……なんてことになったら家族に紹介しないわけにはいかない。そうなると繋がりが出来るから、ふと平賀式部が口を滑らせる可能性は出てくる。

 まあだけど今はそんな可能性の未来を心配してる場合ではない。力を大っぴらに使えないのなら、ここは逃げの一択だ。それしかないだろう。道伝いに手が大量に揺らめいてるんだから、道を外れればいい。夏だから二人とも薄手の服で、足も腕も大っぴらにでてるから、背の高い草や枝なんかが危ないかもしれない。

 けどそんな事を言ってる場合じゃないだろう。


「こっちだ!」


 そういって足軽がとりあえず小頭を引っ張ることにした。幾代が掴んでる手の反対側をとって、引っ張ることで、連結してる列車のように幾代も引っ張れるという算段だ。二人とも腰が抜けたわけじゃないのなら走ってくれるだろう。最悪小頭なら背負って走ればいい……そう思ってた。足軽はとりあえず道を外れて森の方に突っ込む。森といってもほんの触りの部分でいい。だって道からちょっと外れて、そしてまた戻ればいいだけだ。問題はこの手がどこまで続いてるか……だ。村の中でしかこれが出てこれない、所謂地縛霊的な存在なら、幸いなことに自転車は村の外にある。


(いや、村の外というのがどこなのかわかんないけど……多分あの鳥居みたいな跡があった場所なら……)


 そういう風に足軽は考えてた。だってあれは特徴的だったからだ。あれを明確な境にしてるのでは? という事だ。ならあの鳥居跡まで森を通って外に出れば……この変な現象は終るかもしれない。とりあえず前に出て危なそうな枝とか草を気にせずに前を向いて走る。本当なら足軽事態が危ない。けど、二人は走るのに……いや逃げるのに夢中だ。下手に足軽がよけても後ろの二人は避けない可能性が高い。

 なら足軽が全くよけずに力で危ないのを排除した方が効率がいいと判断したんだ。だから足軽は全くよけずに、いや流石に木の幹はよけるけど、避ける必要ないのは全くよけずに前だけ見て走った。

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