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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第十三話Part2

「こっち!」


 脚がガクガクとしてへたり込みそうな小頭のことを幾代が引っ張って走り出した。村中の変な靄は確かにそこにあるが、ゆらゆらと揺れてる。確かにそこにあるが、でも別に足軽たちに注目をしてる……とかはない。

 だからこそ、一気に駆け抜けようと幾代は思ったんだろう。それには足軽も賛成だった。だから二人の背中を見ながら足軽もその背を追う。


「あっあぁ――」

「止まっちゃだめ! 走って!!」


 ただ突っ立ってるだけだとおもわれたこけしのような靄。けどそれは足軽たちが走り抜けてると変化が起こってた。どういうことかというと、奴らはゆらゆらと揺れるように足軽たちに向かってきたんだ。だからそれをみて更に怖がる小頭。でもここで足を止めようものなら、どうなるかわかったものじゃない。そう思ったんだろう。だから幾代は多少強引にも小頭を引っ張ってる。すると……だ。


「足軽も頑張って! 離れないでよ!」


 ――といってきた。それにちょっとびっくりする野々野足軽。まさか彼は自分もそんな風に声をかけられると思ってなかったんだ。けど走りながら考える。


(そっか、普通は俺のことも心配だよな)


 幾代は女の子だからいくら活発で運動神経が良いと言ってもやっぱり引っ張っていけるのは一人だけだ。それも自分よりも小さい小頭だからこそそれができてる。

 彼女では一人を引っ張るしかできない。けど本当なら足軽だってちゃんと引っ張りたいんだろう。責任……を感じてるのかしれない。なにせここには幾代が連れてきたから。


(俺は全然大丈夫なんだけど……そんなのわかりようもないもんな)


 そう考えながら足軽はこういった。


「大丈夫。そっちは小頭を頼む!」


 そんな風に焦ってる風にいう。自分よりも妹を頼む兄を演じてる。もちろん二人に手出しさせる気はない。走るのに夢中になってる二人だ。多少足軽が力を使ってもバレることはない。けど問題はある。


(向こうの存在にはまだ確証されたくないよな)


 あまりに露骨にやるとこの場所を監視してる存在に足軽がそいつが警戒する力の発生源だとバレる可能性がある。かなり距離があるが確実にあの存在はここを見てるという確信が足軽にはあった。

 だからあまりにも露骨には足軽は自分が力を使ってる……とういう風には見せないようにしようとおもってた。


(いや、これは……)


 周囲のこけしみたいな黒い靄は確かにこっちにむかってるが、その動きは遅い。これならなにかしなくても問題なく村からでられそうだぞ……と思う野々野足軽だった。

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