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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第十二話Part3

「ほらっこれ」


 幾代の奴が何かを放りなげた。それはどこかから持ってきたのかわからないし、よく見てもなかった。けどなんか「ほらっ」と言われたから野々野足軽ははそれに反応してた。けど……バサッとそれが落ちたのはかなり足軽から離れた所だっだ。


「ちょっと! なんでとってくれないのよ!」

「そんな事いわれたって……それならもっと近くに投げろよ」


 そこそこ離れた草むらに飛んで行った何か……それをいきなり取れというのは無理筋というものだ。いや、野々野足軽なら力を使えばとれた。けど流石にそこまでするほどでもなかったな……と思ってたのだ。てか取った方が不自然だろうと考える。


「てか何を何をなげたんだ?」

「え?」


 ガサゴソと一応飛んで行ったほうの草むらを探してみる。なにか貴重なものでもあったのか? と思ったからだ。それならちょっと気になる足軽だ。


「――虫だけど?」


 ピシッと固まる足軽。そして頭で高速で思考した。


(いやいや、虫? 違うだろう。流石に聞き間違いだ。だって女子高生が虫を掴んで投げるか? 普通「きゃー」というだろう。なんで掴んで投げてくるんだよ? そんな女はいない)

「え? なんて?」


 野々野足軽は確かめるためにもそんな声を出した。その時も野々野足軽の体は一切動いてない。まるで石のように固まってる。


「いや、だから虫」

「それは昆虫という意味の虫か?」

「それ以外何があるのよ?」


 寧ろなにかあれよ……と思う野々野足軽だ。てかなんで虫? 


「いや、虫なんて投げるなよ! なんでそんな事したんだ?」


 流石にここまで来たら振り返ってそんな風に声を上げる足軽だ。けど幾代はどうやらなんでこんなに足軽が怒ってるのかわかってない。ちょっと考えるような素振りをしつつ、何かを思いついたのか「ポン」と手と手を叩いた。


「大丈夫、投げたのは実はセミの抜け殻でした! 生きてるとおもった? そんな事しないよ」


 けらけらと種明かしをした幾代は笑ってる。確かに生きてる虫よりかは全然いいが……それでも怒らないわけはない。だって都会育ちの足軽と小頭にとってはセミの抜け殻だって十分に気持ち悪いものである。いや足軽はまだそれを掴むとかはできる。虫だって触ることだっでできないわけじゃない。けどいきなりはだめだ。それはセミの抜け殻だってかわらない。


「もうこれだから都会っ子は。案外よく見たら格好いいよ?」


 それを女子がいうのか……と思う野々野足軽。やっぱり田舎は色々とスゲーな――と感じた。

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