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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第十一話Part1

「おーい! こっちこっち」


 そんな風に車が殆ど取らない通らない大きな道路(といっても二車線だけど)に幾代がママチャリにまたがっていた。足軽と小頭も自転車をもって幾代と合流する。足軽達は自転車は一台だけど、二人乗りをすればいいか……と思ってる。道路交通法違反? そこらへんはこれだけ自動車がいないんだから大丈夫だろうという気持ちだ。

 てか野々野足軽ならたとえ事故したとしてもどうにでも出来る。もちろんその前にどうにかする気だが。


「うわ、なんか古いねそれ」

「しょうがないだろ。これしかなかったんだから」

「まあちゃんと動けば大丈夫でしょ。じゃあ早速いこう!」


 今日は幾代とサイクリングである。やっぱり田舎だから足が必要らしい。けど足軽達はまだ高校一年だ。そして幾代もそう……みたいな事を言ってた。だから車なんて便利なものはない。となると学生の一番代表的な足と言えば自転車だろう。


 自転車が必要と言われて足軽はさっそく爺ちゃんに自転車があるか聞いた。爺ちゃんは「うーんどうじゃったか?」とかだったけど、なぜかおばあちゃんの方がわかってた。


「倉庫にあったわよー」


 と言ってくれた。なのでそこから引っ張り出して点検と掃除をして今日を迎えたというわけだ。幸いタイヤがパンクしてなかったのがよかった。空気はかなり減ってたけど、野々野足軽は力を使って簡単に空気を入れた。なんともくだらない力の使い方だと思ったけど、空気入れがなかったのだから仕方ない。


 その時、おばあちゃんに「あれ? タイヤは大丈夫……ね?」とか言われたが、もしかしたらおばあちゃんは一回確認してたのかもしれない。でもそこは「うん、大丈夫だったよ」という事で無理やりやり過ごした。

 だって確認したといっても一回なら、勘違いだったとおもってもおかしくないと思ったし、女性は自転車の構造とかよくわかってないだろうから、タイヤの圧力とかもそうとうへにょへにょに減ってないと押したところでわからないんでは? と考えた。

 そしてそれは当たったみたいだ。実際タイヤは頑丈だし、女性ではちょっと押した所でへこんだりしない。だからおばあちゃんは勘違いだったかしら? という感じで納得してくれた。


「じゃあ、早速行こう!」


 そういって幾代が自身の自転車にまたがって先にいく。野々野足軽と小頭も、その後についていく。もちろんだけど、足軽が漕いで小頭は後ろの方で立つことになった。座る所もあるけど、どうやらそこはさび付いてるから小頭は座りたくないらしい。

 それになぜかおあつらえ向きに後輪のネジの所に長い延長のネジがついてて、ちゃんと二人乗りできるようになってた。もしかしたらこの自転車はかつて足軽達の父親が学生時代に乗ってたものなのかもしれない。だからこんなものがついたままなのかも……と思った。


 三人は空気を切って自動車全然いない田舎の山道の道を滑走する。

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