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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第十話Part3

「へえー足軽って彼女いるんだ」

「そ、そうだけど?」


 やっぱりここは誠実に……と思いあぜ道を通りながら足軽達は一列になりながら歩いてる。一番前は当然だけど幾代である。そしていきなりの「彼女いるの発言」それに対して野々野足軽は誠実に「いるよ」って答えた。それが冒頭の反応である。

 ここでクズな奴なら彼女の存在を隠して目の前の美少女を狙ったりするんだろう。けどそんな事をするような奴では足軽はなかった。確かに平賀式部とは違う、田舎っぽくあか抜けないけど、健康的な美少女というのは魅力的だ。足軽も彼女の脚や鎖骨に目が奪われないなんていえない。

 けどちゃんと「彼女いる」といえた。これだけできっと一線は引かれたはずだ。そもそもが初対面の相手に「彼女いるの?」とか聞かれたら野々野足軽のようなどちらかというと陰キャな男子は「え? こいつ俺の事好きなの?」――とか思ってしまうわけで……ちゃんと彼女が存在する宣言はしたけど、胸はどきどきとしてた。


「本当ですよ。私も彼女さん見た事あります」


 なんか視線だけで真ん中の小頭に「本当?」と幾代は問いただしてたみたいだ。酷い奴である。


「へーあーそっかぁへぇーかわいいの?」


 なんかめっちゃニヤニヤとしつつ小頭にそんな事を聞いてる幾代。一体どんな心境なのか野々野足軽にはわかんない。実際その顔はとても面白そうというか、おもちゃを見つけたような……そんな顔してる。

 でもそれは野々野足軽が期待してた反応とは違う。足軽に彼女がいるとわかって落ち込んだり、なんかそっけなく成ったり? そんな反応になったりしてたら「やっぱり俺の事……」と野々野足軽は思えた。

 けど……なんかとっても楽しそうな幾代を見てると、自分自身に気がないな……と言うのが伝わってくる。


「でも……彼女さん綺麗すぎるんだよね。はっきり言ってお兄ちゃんと釣り合ってない」

「お前な……」

「ええー、そんな綺麗な子なの? ねえねえ写真とか見せてよ。あるでしょ一枚くらい」

「あるけど……」

「ほらほらー自慢してみせなさいよあんたの彼女」


 どういうテンションなんだよこいつは……と思う野々野足軽である。けどわざわざ振り返って不安定なあぜ道を足軽達の方を向きながら歩いてる幾代は問題なく後ろ歩きをしてる。でも二人からしたら危なっかしい。幾代にとってはもう見ずに歩くことなんて余裕なのかもしれないが、そんなの知らない足軽達にとっては心臓に悪い。しかも彼女は防御力低そうなスク水だ。だから早くちゃんと前を向いてもらうためにも見せるしかなかった。


「おおー! めっちゃ可愛い!? ええ!? 芸能人?」


 めっちゃいい反応を幾代はしてた。

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